AI

2023.09.24 08:30

調達額は合わせて272億ドル。世界をリードするAI企業50社

Forbes JAPAN編集部
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PathAI|パス AI 
米マサチューセッツ州ボストン

何百万もの細胞からなる組織サンプルをスキャンし、経験に基づいてがんの可能性を判断する病理医の仕事をAIで自動化した企業。がんとその周囲の細胞を色分けするシステムを開発し、医師と患者の情報共有を助けている。共同創業者でCEOのアンドリュー・ベックはハーバード大学メディカルスクールに勤務後の2016年に同社を創業。累計3億ドルをジェネラル・アトランティックなどから調達。

PolyAI|ポリー AI 
イギリス ロンドン

AI音声アシスタントを使用しカスタマーサービスを自動化するソリューションを提供。50以上の言語で各地のなまりにも対応する。共同創設者兼CEOのニコラ・ムルクジクは、音声認識のスタートアップVocalIQに勤務後2017年に同社を設立。累計7000万ドルをコースラベンチャーズやフィンテック企業のGeorgian、Twilio Venturesなどから調達。直近の評価額は3億ドルとされニューヨークにも拠点を開設。

RevComm|レブコム
日本 東京

電話営業や顧客応対を可視化する音声解析AI搭載型のクラウドIP電話、MiiTel(ミーテル)を提供。顧客応対を録音してAIで書き起こしを行い、話すスピードや特定のキーワードの頻出度などを分析することで、商談の成約率の向上やコーチングを支援している。創業者でCEOの曾田武史は、三菱商事に勤務後の2017年に同社を創業。PitchBookによると累計1300万ドルを調達し、評価額は8100万ドルとされている。

Runway|ランウェイ
米ニューヨーク州ニューヨーク

AIを用いてテキストの説明文からビデオクリップを生成したり、動画内のオブジェクトを別の物体に置き換えたりするツールを提供。2023年のアカデミー賞で7部門を受賞した映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の視覚効果の制作にも使用された。3人の共同創業者らはニューヨーク大学で出会い、18年に会社を創業。累計9600万ドルを調達し、評価額は5億ドルに達している。

Scale AI|スケール AI
米カリフォルニア州サンフランシスコ

機械学習に必要な膨大なデータを効率的にラベリングし仕分けするソリューションで、企業のAI活用を支援。トヨタやリフト、エアビーアンドビーなどの企業や米国の空軍や陸軍などですでに活用されている。創業者でCEOのアレクザンダー・ワンは、マサチューセッツ工科大学(MIT)を中退し、2016年に19歳で同社を創業。21年に評価額73億ドルで3億2500万ドルを調達。累計調達額は6億200万ドルに達している。

Shield AI|シールド AI 
米カリフォルニア州サンディエゴ

米空軍や陸軍にドローンや戦闘機の操縦を自動化するソフトウェアのHivemindを提供。このソフトウェアは、GPSが使用できない環境下でも正常に動作し、人間のパイロットにはリスクが高すぎる任務にも対応できる。2015年に創業され、21年に評価額23億ドルで1億6500万ドルを調達。累計5億2000万ドルを調達している。今年3月にボーイングとのパートナーシップを発表。軍用機のAI導入を加速させると宣言した。
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文=ケンリック・カイ|翻訳=フォーブス ジャパン編集部|リポーター=ラシ・シュリバスタバ、ヘザー・ニューマン 、ローレン・オルシーニ|編集進行=エリザベス・ブライアー|データ提供=コンスタンティン・ビューラー(セコイア・キャピタル)、 ロブ・ウォード & ダン・ナイト(メリテック)|日本版編集=上田裕資

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年9月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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