教育

2023.08.28

衣料品問屋4代目が広げる「食住学」クリエイティブな世界

ログズ代表取締役社長 武田悠太

日本の企業が世界に出るとき足りないものは何か?そのひとつがコミュニケーション、つまり伝える内容や伝え方だとしたら、どうすれば乗り越えていけるのか?

未開拓の日本の可能性を世界と繋ぐことをミッションとするKitchen & Companyの代表・中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.45配信のゲストはログズ代表取締役社長 武田悠太。老舗衣料品問屋の4代目として服飾雑貨問屋の経営に参画しながら食住学と異業種へ事業を拡大するようになったいきさつと、彼が描くビジョンを聞いた。



中道:今回はログズ代表取締役社長 武田悠太さんをお迎えしています。武田さんは1984年に老舗衣料品問屋の4代目として東京に生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業後、アクセンチュアの戦略コンサルティンググループに入社されます。

2014年、 家業と同じ服飾雑貨問屋の経営に参画し、2016年にはログズを設立。以後、衣食住学の4分野に事業を拡大。現在、DDD HOTEL(ビジネスホテル)、PARCEL(アートギャラリー)、nôl(実験型キッチンスペース)、GAKU(10代向けクリエイティブ教育)を展開しています。まず、武田さんの生い立ちからうかがっていきたいです。

武田:僕は長男だったので、生まれた瞬間から「お前が跡継ぎだ」という空気で。僕自身もそれを相当意識していて、中学時代はラグビー部でチームプレーを学ぼうとか、大学はやっぱり慶応がいいんじゃないかとか、大学時代は見聞を広げるためにバックパッカーで世界を見ようとか……。そういう流れで就職も外資系のコンサルティングファームがいいんじゃないかと思いアクセンチュアに入ったという感じですね。

中道:アクセンチュアではどういうことをされていたのですか。

武田:官公庁などのパブリックセクターで、大手メーカーさんの医療系新規事の業立ち上げなど、主に医療系のプロジェクトに携わっていました。

中道:そこからどのような形で家業に戻られたのですか。

武田:経営不振に陥った問屋さんから父に事業譲渡の話があったんです。せっかくなのでパラシュート型でそこに入って経営改革してみないかと言われて戻りました。2016年ごろです。

僕らがやっている現金問屋という業態は当の昔に賞味期限を迎えていました。ユニクロをはじめとしたSPAモデルも出ていましたし、僕が引き継いだのは比較的若い人向けの服飾雑貨で、そういった問屋さんはどんどん廃業している状況でした。

それで僕らも大手さんと取引をするため、もの作りの方向にシフトしていきました。いわゆるOEMに切り替えていったんですけど、そのタイミングでどんどん人が辞めていって、20人ぐらいいた社員が最終的に3、4人になり、そこから新しいメンバーを入れて、最初の1年間はかなりドラスティックな改革になりました。
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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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