超高速を実現する「スーパーカーブランド」だからできること

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日本の企業が世界に出るとき足りないものは何か?そのひとつがコミュニケーション、つまり伝える内容や伝え方だとしたら、どうすれば乗り越えていけるのか?

未開拓の日本の可能性を世界と繋ぐことをミッションとするKitchen & Companyの代表・中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.50配信は、前回に引き続きマクラーレン・オートモーティブ日本代表 正本嘉宏。マクラーレンの究極の価値は最高のプロダクトが生み出す時速数百キロ領域での人と車のインタラクションを提供することだ。


中道:引き続き、マクラーレン・オートモーティブの日本代表 正本嘉宏さんをお迎えしています。

前回は、マツダのオートラマに始まり、アメリカ系のフォード、ヨーロッパのフォルクスワーゲンという正本さんの経歴を紐解きました。そのなかでブランドに対する考え方が皆異なっていて、特にヨーロッパでは、歴史を重んじながらブランドを継承していくというお話でした。

そこからマクラーレン・オートモーティブの日本代表になられたわけですが、マクラーレンというのはどのようなブランドでしょう。

正本:実は入社を真剣に考えるまで「マクラーレン=フォーミュラワン」とか、「マクラーレンホンダ」という印象しかなくて、具体的な車種などは全くわかっていませんでした。

日本のお客さまは、80年代後半のアイルトン・セナのマクラーレンホンダのイメージが強烈にあるのではないでしょうか。それはマクラーレン・レーシングという60年の歴史を持つディビジョンですが、私が勤めているのはマクラーレン・オートモーティブというディビジョンです。

90年代半ば、マクラーレンは台数限定でユニークな車を販売する市販車ビジネスを始めます。その会社がマクラーレン・カーズと言う、マクラーレン・オートモーティブの前身になります。そこで最初につくったのは3シーターの「マクラーレンF1」という全世界106台限定のロードカーでした。今でも伝説の車と言われ、オークションに出ると何十億という高値がつくような車です。

そういう限定ビジネスから始まり、メルセデス・ベンツと協業でつくった「SLRマクラーレン」など、本当にエクスクルーシブな車をスポット的につくっていました。

オートモーティブは、今後の富裕層の拡大やスーパーカービジネスの拡大を見据えて2009年に設立され、2011年にオートモーティブが初めて開発したスーパーカー「MP4-12C」を世に出しました。
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