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経営・戦略

2023.08.04 16:30

「幸せでないと利益が出ない時代」 のウェルビーイングの高め方

(写真:日本経営合理化協会)

衝撃事実!「日本がChatGPTの原動力?!」「前向きの人は10歳長生き」

ここに、興味深いデータがある。アメリカにおいて、facebookで外交的な人が使っているワードに「パーティ」や「ラブ」がある。一方、内向的な人のワードには、「アニメ」「ジャパニーズ」「ポケモン」「コンピューター」。つまり、アメリカ人の半数が、日本文化に傾倒しているのが分かる。アメリカで誕生したChatGPTを生み出した原動力は、日本のカルチャーだったとも考えられる、と分析されたのだ。
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矢野:7万人の男女を30年間リサーチした結果、前向きな人と後ろ向きな人では、平均寿命が10歳違うという結果が報告されています。喫煙とかメタボとか、騒がれていますが、健康的習慣を遥かに凌駕する結果になったのです。また、ハーバード大学で84年間行われた研究結果でも、いい人間関係が普遍的に必要だと報告されています。

さらに、我々は、権威ある「ネイチャー/サイエンティフィック・リポート」で、自分の周りの三者関係がとても大事だと発表しました。自分が良く話す人を二人取りあげると、その二人同士でも話をすると、「三角形」になるが、話をしないと「V字型」になってしまう。皆さんは、ご自身で「V字」が多いか「三角形」が多いか、考えてみて下さい。「三角形」でなくてはいけないのです。情報が伝わっているからOKでは決してない。「三角形」は仲間やコミュニティができることです。組織では、横の繋がりにも直結します。

他には、データから分析したコミュニケーションの「4つのマスト」をお伝えしましょう。(1)特定の人につながりが集中しない(Flat)。(2)5分程度の短い会話が多い(Inprovised)。(3)会話中に身体の動きが同調する(Non verbal)。(4)会議での発言権が偏らない(Equal)。です。これらの頭文字を取って、FINEと呼んでいますが、「まわりの人と繋がって前向きになる」事が、最も大切なのです。
(写真:日本経営合理化協会)

(写真:日本経営合理化協会)

「応援」こそ、結果を高める最良の手段

国連の調査によると、G7の中で、日本は幸せを感じる指数が最下位だという。5年後の未来に対する希望も低い結果になっている。また、ギャラップ社調べでは、熱意溢れる社員が6%しかいないのが日本企業。次々と耳を疑う結果が出ているのだが、矢野CEOは、意外にも楽観的に考えていいと分析している。その心は、仕組みさえ作って実践すれば、直ぐにでも復活するのだと算段しているからだ。そのシステムを作る為に、「日立製作所」の、いち社員であった矢野CEOは、新会社設立に向けて動き始めたのだという。
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矢野:10億円あれば作れるかな、と考えて作った会社が「ハピネスプラネット」です。様々なウェルビーイングの知見を組織の中で活かせる仕組みを提供したかった。企業は業績ありきですが、それには、従業員間のコミュニケーションの質を高める人材作りが何より大切だと考えまして。この30年間、日本で弱くなったのは、用事のない関係性です。
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インタビュアー=谷本有香(Forbes JAPAN執行役員・Web編集長) 文=中村麻美

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