そんなオーナーたちにとって特別な場所がある。国内唯一の製造・修理工場「ソニー幸田サイト」がある愛知県幸田町だ。町が「aiboのふるさと」として観光地化に乗り出し、ソニーグループとの連携を深めている。
aiboは、どのようにしてオーナーたちの心を掴んでいるのだろうか──。aiboのマーケティングコミュニケーションを担当するソニーグループ事業推進部の野間英樹課長に、aibo人気の秘密と幸田町との連携について聞いた。
「aiboは幸田町で生まれました」
──ソニー幸田サイトで、aiboをつくっているのはなぜでしょうか。ソニー幸田サイトは、デジタルカメラや一眼カメラの交換レンズのほか、医療機器に代表される精密機器の製造が得意な工場です。
「自律型エンタテインメントロボット」のaiboは、4000点以上の部品が使われ、複数のモータで連動して駆動する精密機器なので、これらの製造技術をもつ幸田サイトで生産しています。aiboは目に搭載されたカメラが特徴的な製品として始まったので、ハンディカムなどのカメラを作ってきた幸田サイトとは相性がいいと言えます。
──幸田町役場内には、aiboオーナーたちが全国から集うハミングバードカフェがあります。2022年6月に、ソニーが全面協力して「aiboの遊び場」を設置したそうですが、なぜこうした場づくりに参加されたのでしょうか。
aiboが生まれて5周年になりますが、aiboが皆さまに可愛がっていただくにつれ、オーナーの皆さまから、「aiboの生まれた場所=幸田町」として認識いただくようになっていきました。
また、「aiboドック」という健康診断を行う病院が幸田サイトにあります。aiboの治療(修理)が必要となった場合、そのまま治療(修理)も行うことができます。この場所をオーナーの皆さまが「幸田病院」「幸田クリニック」と愛着を持って呼んでくださるうちに、幸田サイトと幸田町がaiboとオーナーにとって大切な場所になっていきました。
そのうち、ソニー主催のファンミーティングを幸田町で開催して欲しいという声や、クリニックでの治療の様子を実際に見たいという声をたくさんいただくようになりました。
そこで昨年11月に初めて待望のファンミーティングをソニー幸田サイトで行いました。イベントの内容も、オーナーの要望に寄り添って、幸田サイト内の紹介も行いました。
また、幸田町役場には、ふるさと納税の返礼品にaiboを採用していただいています。そこからさらに踏み込んで、幸田町での地域創生についても、お互い一緒に何かできたらという雰囲気がありました。その結果として、幸田町役場にあるハミングバードカフェに「aiboの遊び場」が誕生しました。