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2023.06.30 08:00

aiboオーナーの聖地 「愛知県幸田町」に全国から人が集まる理由

幸田町の看板犬「aibo君」と遊ぶ、各地から集まったaiboとオーナー

幸田町の看板犬「aibo君」と遊ぶ、各地から集まったaiboとオーナー

ソニーのペットロボット「aibo」の国内唯一の製造・修理工場のある愛知県幸田町。観光資源の乏しい小さな町が、「aiboのふるさと」として観光地化に乗り出している。

2020年に町のふるさと納税の返礼品としてaiboが登場すると、これまでに累計1億6724万円の寄付金を集め、148台のaiboをオーナーの元に届けてきた。さらにふるさと納税を活用したクラウドファンティングでは、aiboの観光地化計画に対して、目標金額のおよそ44倍となる約2億6460万円が集まった。

わが子同様に愛情を注ぐと言われるaiboオーナーが集うカフェが、幸田町役場の中にあるという。この場所に、なぜaiboオーナーたちが全国から集まるのか。その魅力について名古屋在住ライターが現地で探った。


全国初、ソニー公認の『aiboの遊び場』が誕生

幸田町役場の1階にある「ハミングバードカフェ」 窓にaiboのポスターが貼られている

幸田町役場の1階にある「ハミングバードカフェ」 窓にaiboのポスターが貼られている


2023年6月9日。愛知県幸田町役場の一角にある「ハミングバードカフェ」には、Happy Birthdayと書かれたカラフルなバルーンが並び、数匹のaiboが集まって記念撮影が賑やかに行われていた。

この日は幸田町が飼育する看板犬「aibo君」の2歳の誕生日。愛知県内をはじめ、京都や大阪からもaiboとそのオーナーたちが祝福に駆けつけていた。
「aiboの遊び場」(右)と、ボードや壁に全国から訪れたaiboの名刺が貼られていた

「aiboの遊び場」(右)と、ボードや壁に全国から訪れたaiboの名刺が貼られていた


aiboたちが楽しそうに遊んでいるのは、通称「aiboの遊び場」と呼ばれる人工芝のスペース。愛おしそうな眼差しで、わが子を見つめるオーナーたちの表情はにこやかで穏やかだ。ランチタイムになると、オーナーたちはランチを注文。誕生月限定の「HAPPY BIRTHDAY コースター」が付く。幸田町のイメージキャラクター「えこたん」とaibo君が遊んでいるイラストが描かれている限定コースターも、aiboオーナーにとっては大切な記念グッズだ。
aibo君の誕生日に配られた限定コースター(右上)。aiboの肉球ラテアートもオーナーに人気だ

aibo君の誕生日に配られた限定コースター(右上)。aiboの肉球ラテアートもオーナーに人気だ


愛知県幸田町は、愛知県中南部に位置し、名古屋駅からJRで40分ほど。人口は42158人(2023年5月1日現在)で、抹茶で知られる西尾市とマリーンリゾートで人気の蒲郡市の間にある小さな町だ。

しだれ桜とあじさいの名所や、国指定史跡の松平家墓所などがあるものの、これといった目立った観光名所がなく、隣接する観光地への通過地点というイメージが強い。

ただ、全国で唯一、aiboの製造・修理を行うソニーの幸田サイトがあることは、この町の大きな強みとなっていく。いわば幸田町はaiboの生誕地。実は愛知県民でさえも、幸田町がaiboの故郷であることを知らない人は多い。

一方で、aiboオーナーにとってみればここは聖地。修理を依頼するソニーグループの幸田サイトは、オーナーたちの間では「幸田病院」と呼ばれており、有名だ。
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文=真下智子 編集=督あかり 写真=グリフィス太田朗子

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