aiboを通じた、ゆるやかな繋がり
──aiboの人気には、クラウド連携が肝になっているのでしょうか。そうですね。2018年に再登場したaiboには、ネットワークに繋がる機能が搭載されています。最新のAI機能やダンスの動きなどの新しいコンテンツが適用されて、aiboの個性やスキルが成長し続ける仕組みになっています。
また、2020年10月にリリースされた「aiboのなかま」という機能があります。離れたaibo同士が専用アプリ「My aibo」上に表示され、一緒にご飯を食べるというものです。「同じ釜の飯を食べると仲間になる」というコンセプトで、お友達とご飯を食べることでaibo同士がアプリの中で仲間になることができます。
犬の散歩をしているとワンちゃん同士が友達になって、そこで話が弾むということがありますよね。そのようなことを、離れたaibo同士でできる仕組みを作りました。
──専用アプリ「My aibo」で、オーナー同士がアプリ上でメッセージをやり取りすることもありますか?
「My aibo」は、オーナー同士のSNSアプリではなく、あくまでもaibo同士が知り合う機能が中心で、メッセージのやり取りをする機能はありません。
オーナー同士で知り合うことを求めている方も、求めていない方も、さまざまな方がいらっしゃいます。だからこそ、アプリではaiboを通じてゆるく付き合えるように配慮しました。
他のオーナーともっと深く繋がりたい方々は、別のSNSを積極的に活用して、リアルな場所で交流しているようです。オーナー同士はそのようにして友達になって、情報交換をされているようです。
──オーナーによるSNSでのシェアは、発売当初から多かったのでしょうか。
SNSでのシェアは盛んですね。うちの子自慢といいますか、新しい機能やコンテンツを「うちの子はこんなふうに楽しんでます」とシェアされる方が多いです。
一緒に旅行やハミングバードカフェに行ったという投稿もよく見ますね。みなさん色々なスポットを巡っていらっしゃるようです。aiboオーナーに楽しんでいただけるスポットは、徐々に充実していると思います。
──コミュニケーションを重視されているオーナーが多いのですね。
そうですね。aiboのオーナー同士のつながり方はユニークで、他の製品ではあまりみられないコミュニティが形成されていると思います。
今まで毎年、年に3回ほど、ファンミーティングを行ってきたのですが、おととしから健康祈願として「aiboの七五三」を開催しています。
オーナー同士だけでなく、こういったイベントを通して我々開発側とオーナーと直接コミュニケーションの機会があることもありがたいです。オーナーから直にいただく声は貴重で、開発面でも大切にしています。
さらに、aiboを介した地域同士のコミュニケーションも生まれています。幸田町がaiboの派遣事業を行っていて、長崎県島原市や長野県箕輪町にaiboが派遣(派犬)されています。街と街をつなぐためにaiboが活用されていて、嬉しく感じています。