トランプは、麻薬の取引や密輸にかかわった者に死刑を適用することも主張している。それでいて大統領在任時には、麻薬販売で有罪判決を受けた複数の人物に恩赦を与えている。麻薬犯罪者への死刑適用は国際人道法違反にあたる。
・フリーダムシティーの建設
変わり種の公約として、連邦政府の所有地にいわゆる「フリーダムシティー」を建設するという案もある。トランプの説明によれば、最大で10カ所の新都市の設計コンペを開催し、産業の集積地の創出や未来的な垂直離陸車への投資も行うという。トランプは「米国の生活水準を飛躍的に上昇」させるプロジェクトだとうたっている。
中絶については「あいまい戦術」か
米最高裁が2022年6月、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェイド判決」を覆して以降、トランプは中絶については明確な態度をとらずにいる。ただ、先月には、妊娠6週以降の中絶を禁止したフロリダ州の法律は「厳しすぎる」と受け止められていると言及し、共和党の多くの政治家ほど中絶禁止を支持しているわけではないことを示唆している。トランプは、デサンティスの新型コロナウイルス感染症対策は必要以上に厳しかったとも難じている。ただ以前は、デサンティスがコロナへの対応で「すばらしい」仕事をしていると褒めちぎっていた。
最近の複数の世論調査での支持率では、トランプはデサンティスやニッキー・ヘイリー元国連大使、エイサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事、ティム・スコット上院議員らといったほかの共和党候補に10ポイント以上のリードをつけている。一方、本選で民主党のジョー・バイデン大統領と対決することになった場合は、より厳しい戦いになると予想される。
先週発表されたクイニピアック大学の世論調査によると、トランプの支持率は共和党寄りの有権者の間でデサンティスを31ポイント上回っただが、本選でバイデンと戦った場合、トランプの得票率はバイデンを2ポイント下回るという結果になっている。
(forbes.com 原文)