政治

2023.05.16

トランプ、中絶法への明確なスタンス表明を避け続ける

テキサス州ウェーコで講演するドナルド・トランプ前米国大統領。2023年3月25日(Getty Images)

ドナルド・トランプ前大統領は、妊娠6週間以降の中絶禁止を支持するか否かについて発言を拒んだが、ライバルであるフロリダ州知事、ロン・デサンティス(共和党)が署名した州法は「厳しすぎる」とほのめかした。2024年の共和党大統領候補争いがこの問題で二分される中、トランプの中絶に対する捉えどころのないスタンスに輪をかけた。

トランプは中絶禁止に関して「あらゆる選択肢を考えている」と5月15日に公開されたThe Messengerのインタビューで、フロリダの厳しい新法を支持するかどうかの質問に答えて述べた。その中でトランプは、同法が「中絶反対派の多くの人々」から「厳しすぎる」と見られていることを指摘した。

「多くの人たちは、彼が自分のしていることを理解しているのかどうかさえも知らない」とトランプがデサンティスを指して付け加えた。

トランプは、ロー対ウェイド判決の逆転も自分の手柄にし「私以外にあれをできる者は他にいなかった【略】私は卓越した裁判官3名を指名することによってそれを成し遂げた」と記者団に話し、先週行われたCNNのタウンホールミーティングで述べた主張を繰り返した。

トランプは、CNNのイベントの際にも中絶に対して曖昧な態度を取り続け、国による中絶禁止を支持するかどうかの発言を拒む一方で、将来の中絶禁止法については、ロー対ウェイド判決の逆転が、中絶反対運動に「交渉力を与えた」と主張した。

いずれのインタビューにおいてもトランプは強制性交、近親相姦、あるいは母体の声明が危険な場合など、中絶禁止の例外を支持すると発言し「過激なのは、赤ん坊を妊娠9カ月や生まれた後にさえ殺してしまう人たちだ」という持論を繰り返した。
次ページ > 69%の米国人が中絶法に満足していない

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事