米ディズニーの「スター・ウォーズホテル」が1年半で幕、原因は?

米フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールドの「ギャラクティック・スタークルーザー」で、ライトセーバーの使い方を教わる少年(2022年3月1日撮影、Allen J. Schaben / Los Angeles Times via Getty Images)

銀河はあまりにも遠かったということか──。

米フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールドで、人気映画シリーズ「スター・ウォーズ」をテーマにした体験型ホテル「Star Wars: Galactic Starcruiser(スター・ウォーズ:ギャラクティック・スタークルーザー)」が、今年9月いっぱいで閉鎖されることになった。

スター・ウォーズの世界に没入できる同ホテルは昨年3月にオープンしたばかりで、わずか1年半ほどでの幕切れになる。ディズニー・ワールドのウェブサイトによると、9月28〜30日分がスタークルーザーの「最後の旅」になる。

ディズニーは、閉鎖の理由を「ビジネス上の判断」とのみ説明している。

どんな体験ができる?

ギャラクティック・スタークルーザーは、2017年にディズニーのファン向けイベント「D23エキスポ」で発表された。1つのカテゴリーに収まるような施設ではなく、ホテルでもあれば陸上のクルーズ船でもあり、自分で選択をしながら進んでいく劇場型アドベンチャー施設でもある。

映画シリーズと同様、ギャラクティック・スタークルーザーでの体験もストーリーに沿って展開する。ゲストはクルーズ船に乗るように、ほかの人と一緒に2泊3日のイマーシブ(没入型)な旅に出る。ターミナルでローンチポッドに乗り込んでバーチャル世界の宇宙へ出発した後、スタークルーザー「ハルシオン」にドッキングする。

船内ではスター・ウォーズの衣装を身にまとう。チューバッカやカイロ・レンなどシリーズの登場人物の出迎えを受け、船長からライトセーバーの使い方やブリッジのオペレーションについてレクチャーを受ける。船室では、AI(人工知能)をもつロボット「D3-O9」が船の現在の状況などについて教えてくれる。バーではエイリアンのスパイや密売人といった面々に交じって飲食を楽しめる。そして、「レジスタンス」と「ファースト・オーダー」のどちらにつくかを決め、それぞれのミッションを言い渡される。

「100年以上にわたって、ディズニーはリスクを冒しながらエンターテインメント体験の最前線に立とうとしてきました。わたしたちはクリエーティビティーとイノベーションの限界を広げ続けており、大切なことを学び取っては体験を進化させています」とディズニー・ワールドの広報担当者は述べている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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