ペイパルやパランティア、ファウンダーズ・ファンドの共同創業者でリバタリアンとして知られるティールは、2018年以降に共和党の候補者らに約4000万ドル(約54億円)を寄付していた。
しかし、匿名の関係者がロイターに語ったところによると、ティールは昨年末に2024年の大統領選ではどの候補者にも寄付をしないことを決めたという。彼は、共和党が中絶問題やトランスジェンダーのトイレ使用制限などの問題よりもイノベーションや中国との競争を懸念すべきだと考えているとロイターは報じている。
フォーブスはティールにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
超党派のNPO団体Open Secretsのデータによると、ティールは2022年の中間選挙の際に、16人の共和党候補者に合計3500万ドルを寄付し、そのうち12人が当選した。このうち約2000万ドルは、ティールの子飼いと報じられたアリゾナ州の上院議員候補ブレーク・マスターズを支援する政治活動委員会に使われたが、マスターズは結局現職の民主党上院議員のマーク・ケリーに敗れていた。
ティールは昨年、別の保守系候補のJ.D.ヴァンスの支援にも少なくとも1000万ドルを費やし、彼のオハイオ州の上院選での勝利に貢献した。彼はまた、2016年にトランプの選挙キャンペーンに125万ドルを寄付したが、Open Secretsによると、2020年の大統領選ではトランプに寄付していない。
ティールは、2016年にトランプへの支持を表明したが、ロイターの取材に応じた関係者によると、彼はトランプの政策の一部を支持していたものの、その後の混乱には不快感を示していたという。
ティールの寄付の大半は、共和党に向けてのものだが、ここ数年で民主党への寄付も確認されている。2015年に彼はカリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムの選挙運動に5万6400ドル、2016年にはカリフォルニア州の民主党議員ロー・カンナに2700ドルを寄付した。
(forbes.com 原文)