「私にはいつも良いアイデアがあった」採用を見送るべき候補者が口にしがちな言葉

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あなたの会社は、書類上ではすばらしく見えたが、実際には問題のあった人物を採用してしまったことはないだろうか? つまり、社風に合わなかったり、あるいは、ナルシストで大袈裟だったり、フィードバックにきちんと対応できなかったりといった人物だ。

そういう経験があったとしても、それはあなたに限ったことではない。筆者が2011年に出版した著書『Hiring For Attitude』(筆者が創業したコンサルティング企業「リーダーシップIQ」による調査を元にした著書)が明らかにしたように、新規採用者の46%は、採用されてから18カ月以内に、すでに解雇されたか、上司や同僚から低い評価を受けていたのだ。

また、最も衝撃的なのは、採用で失敗した理由のうち「スキル不足」は11%に過ぎないことだ。採用で失敗した理由の89%は、新規採用者の心構え(attitudes:物事に対する姿勢や行動のあり方)がふさわしくなかったり、不適切だったということなのだ。

スキルは重要だが、技術的な専門知識については、かなり簡単に評価できる。それに対して、候補者が責任を果たす人間か、それとも他者を責める人間かを評価するのは、かなり難しい。先のことを考えて行動するタイプか、自己満足するタイプか。柔軟な考え方ができるか、石頭か。問題があることを自分で認識できるか、何も気づかないかといったことも同様だ。

幸いなことに、面接で何を注意して聞くべきかを知っていると、こうした「悪い心構え」を見抜くことは十分可能だ。

採用担当者が見抜くべき具体的な警告サイン

リーダーシップIQでは「Words That Cost You The Interview(面接に損失をもたらす言葉)」調査で、何千もの候補者の回答(採用試験で出題された小論文の回答)を分析した。その結果、高評価を得た候補者は、低評価を受けていた候補者とまったく異なる言葉を使っていることが明らかになった。

例えば、評価が高い候補者の回答には、前職で評価が低かった候補者の回答に比べて、1人称の代名詞(例:私は、私を、私たちは)が約60%多く含まれている。一方、低評価を受けていた候補者の回答には、二人称の代名詞(例:あなたが、あなたの)が約400%多く含まれている。

また、高評価の候補者の回答には、過去形の動詞が40%多く、低評価を受けていた候補者の回答には、現在形の動詞が約120%多く含まれている。つまり、高評価の候補者は「自分の経験」を語るが、低評価の候補者は一般的な語り方をするのだ。

例えば、候補者に対して「やり方がわからない仕事を頼まれたときのことを教えてください」と尋ねてみたとしよう。低評価を受けていた候補者はこう答えるかもしれない。
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翻訳=ガリレオ

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