すでに安定した仕事があるため、求職活動にともなうストレスはかなり低くなるだろう。優秀なパフォーマーであり、高い給与を得て、尊敬されているという自覚を持って、自信に満ちた態度で面接に臨むことができる。もし求人に落ちても、まだ良い仕事にはついたままなので世界が終わるわけではない。
ほとんどの人は、職場でうまくいかなくなってから新しい仕事を探そうと考え始める。物事が改善されることを楽観的に信じていたり、昇進や昇給がすぐそこまで来ていると考えるのが人間の性かもしれない。もう少し待てば、上層部の誰かが自分の才能に気づいて、一生懸命な努力に報いてくれるだろうと思うのだ。
仕事を変えるのが遅れると起こること
陰険な同僚、手柄を横取りする上司、無関心な人事担当者、コスト削減を追求するCFOは、いつまで経っても変わることはない。多くの人は前途が見えなくなったと気づいたときにやっと、求職活動を始めるのだろう。問題は、そのときは自分が最高の状態でないことだ。長年にわたるマイクロマネジメント、暴言、共感も心理的安全も提供しない上司の下で仕事をすることで、あなたの自尊心は損なわれてしまう。感情的に打ちのめされている状態だ。会社がレイオフやコスト削減、雇用凍結を発表するまで待っていたら、ストレスや不安に気持ちが支配されてしまう。そんな状態で求職活動に臨むと、心が折れそうで恐怖を感じてしまう。ベストの状態で臨むことができないので、それは最悪の面接方法なのだ。
採用担当者の本音
求職中の人は低額な求人でもしぶしぶ受け入れるので、会社はすぐに採用をすることができると思っているかもしれない。実際にそのようなこともある一方で、解雇された求職者に対する暗黙の偏見が存在する。面接官は、解雇された求職者が成績不振だったり、何らかの問題行動が原因で解雇された可能性を懸念する。採用担当者は、リスク要因になり得る人物を雇うことに躊躇してしまう。社内政治的な面から見ても、結果的に大失敗だった求職者を推薦したことについて問われることになる。採用担当者は、需要のある人物を求めているのが現実だ。自分の組織内で、良いパフォーマンスを見せている人であれば、面接官は自動的に、その人は価値があり、最高のスキル、才能、専門知識、経験を持っていると考えるだろう。競争本能として、ライバル会社から花形プレイヤーを引き抜こうという気持ちもある。
給与交渉での優位性
給与交渉の際、あなたは有利な立場にある。評価が高く、人気もあるため、現在の給与体系に比べてかなり高い額を要求する余裕がある。仕事がない人は、仕事に復帰するためにかなり低いオファーを受け入れることがある。だが、安定した状況を離れて未知の領域に踏み込むことに対するプレミアムを要求できる立場なのだから、妥協する必要はない。20%以上増額できる可能性もあるので、それは大きな違いだ。
一方で、過去の不満や不遇の記憶を引きずっていては、最高の状態では面接に臨めないことになる。採用プロセスに関わる人たちは、あなたの不安や過去の雇用者に対する苛立ちを感じ取るだろう。以前働いた人たちに対して悪口をいう態度は、採用担当者を遠ざけるだろう。採用プロセスに関わる人たちは、将来他の企業で面接を受ける際に自分たちの悪口をいうような人を雇いたくないからだ。
(forbes.com 原文)