マスクはツイッターのコンテンツモデレーション(投稿の監視や削除)に関するガイドラインを緩めたことで批判を浴びた。これに対してブルースカイは、コンテンツモデレーションに関するガイドラインもユーザーが自分で作成したり、他人が作成したものに同意したりできるようにする方針だ。現在は暴力的なコンテンツやヘイト表現をともなうコンテンツの表示に関して、許可するか拒否するかなどを選べるようにしている。
すでにブルースカイを使っている著名人には、アレクサンドリア・オカシオコルテス米下院議員、モデルのクリッシー・テイゲンらがいる。ツイートの多さで知られるオカシオコルテスだが、最近はブルースカイのユーザーともメッセージをやりとりし、ツイッターと違ってブルースカイではヘイト行為をしてくるアカウントの大群につきまとわれることがないと褒めている。ただ、現在は引き続きツイッターも使っている。
テイゲンは4月27日、ブルースカイのプロフィールへのリンクをツイートした。同じ日にブルースカイは、新規ユーザーが前日から一気に2倍に増え、1日としては最大の伸びを記録したと発表している。アップルのアプリストアでは2月の配信開始以降、ブルースカイのダウンロード数は37万5000回にのぼったと先月末に報じられている。
ブルースカイの招待コードへの需要も高まっているもようだ。大手EC(電子商取引)サイトの「eBay(イーベイ)」では数百ドル(数万円)で売りに出されている。
フォーブスの4月25日の記事によると、待機リストに登録している人は120万人に達している。うち3万5000人はすでに参加している。
グレーバーはフォーブスの取材に、ブルースカイでは「ユーザーは選択することでき、クリエーターはオーディエンスとつながりを保つことができる。開発者は自由につくることができる」と語っている。
ドーシーはマスクによるツイッター買収を支持していたが、4月末には一転、ツイッター買収後のマスクは「正しい行動をしていない」、マスクのリーダーシップのもとでツイッターは「劣化した」などとブルースカイで批判した。
ドーシーはかねてツイッターについても、ユーザーが依存する単一の集中型プラットフォームではなく、コンテンツを共有するための分散型システム、言い換えると「プロトコル」の一部であるべきだと主張しており、昨年はこのビジョンにマスクも引き込もうとしていた。裁判資料によると、ドーシーは2022年のテキストメッセージでマスクにこう伝えていた。「ツイッターはプロトコルとして始まった。けっして会社にしてはいけなかった。そうしてしまったのが原罪だ」
「マスク時代」のツイッターの競合候補として浮上したプラットフォームは、ブルースカイが最初ではない。マスクのツイッター買収後、多くのジャーナリストを含む大勢のユーザーが、やはり分散型のソーシャルメディアアプリである「Mastodon(マストドン)」に移った。マストドンは昨年末、一時的に人気が急上昇し、12月には月間アクティブユーザーが250万人まで増えたが、今年1月末には140万人まで急減した。
(forbes.com 原文)