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2023.03.07

Z世代が惹かれる「mixi」のレトロさ 変化するSNSとの関わり方

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日々さまざまなニュースが飛び交うソーシャルメディア界隈だが、最近最も大きなインパクトを持って受け止められているのが、イーロン・マスク氏によるTwitter買収だろう。

2022年4月頃からマスク氏によるTwitter買収提案が取りざたされ、紆余曲折を経ながらも10月末に完了した。その後も、大規模なレイオフ、定額課金型サービス「ブルー」の導入、APIの無償利用制限などあまたの改革が矢継ぎ早に実施されていった。

TwitterやYouTubeから「避難」するユーザーたち

その流れで、Twitterから「避難」するユーザーも目立つようになった。例えば、2016年に生まれた分散型ソーシャルネットワークサービスのマストドン(Mastodon)。これは短いメッセージを投稿して他者と交流することができるTwitterとよく似たサービスだ。Twitterは一企業が所有・運営するプラットフォームであるのに対し、Mastodonはオープンソースソフトウェアで構築されており、誰でも自分の「インスタンス(交流する場)」を立ち上げ、そこで自分のデータを管理することができる。

MastodonのMAU(月間アクティブユーザー数)は2022年10月時点で30万人だったが、11月時点では250万人にまで増大した。無論、Twitterは約2.4億人なので歴然とした差は存在するのだが。

避難するユーザーの動機は、主に

1. イーロン・マスク氏の独善性やその考え方へのボイコットとして
2. サービスの品質や継続性に疑問符が生じたため

といったものだろう。報道では前者がクローズアップされがちだが、後者がより本質的だと思うし、SNSの世界では頻繁に起こっていることでもある。

例えば米国の著名YouTubeクリエイターの一部は、活動の場所を自前のウェブサイトやファンサイトに徐々に移し始めている。

YouTubeだけに依存すると、プラットフォーム側のさじ加減で視聴数や収益にも影響が及びかねない。またアカウントが凍結されてしまったらファンとの交流経路が途絶えてしまうという最大のリスクもある。したがってYouTubeでの発信は続けつつ、ファンとの濃いコミュニケーションや発展的なマネタイズは自前の場所で行おうというわけだ。完全な避難ほどではない。半避難と表現することができるかもしれない。

そうしたなか、皮肉なことに(?)、mixiのユーザーが増えていることがTwitterトレンドになった。なぜいまmixiに注目が集まるのだろうか?
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文=天野彬 編集=露原直人

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