Z世代とミレニアル世代で異なるmixiの捉え方
mixiが公開されたのは2004年2月22日。ちょうど丸19年を迎えたSNSの「大御所」といえる。サービス名の由来は、「mix」(交流する)と「i」(人)を組み合わせたもので、ユーザー同士がその関係性の中で刺激を受け合い、友情を深めること、さらには新しい友人関係を見つけ出すことを願って命名されたという。(筆者もそうだが)ミレニアル世代(1980年〜1995年頃の生まれ)にとっては、初めて触れたSNSがmixiだという人が多く、すでに通ってきた道だと感じる向きが多い。そのため、自分の若い頃の「黒歴史」が残っていてあまり帰りたくないようなものに映るかもしれない。似たような話で、「久しぶりに実家に帰ってガラケーの中身を見たら恥ずかしさのあまり爆死した」といったウェブ記事が共感を持って拡散したのも想起される。
また著書「SNS変遷史」の中でも論じたように、日本のSNSはソーシャルネットワークサービスではなく、”セケン”ネットワークサービスである。現に国際調査を参照すると、SNSを通じて新しい人間関係が築かれる割合として日本は低位である。もともとの友人や知人と、ややウェットなコミュニケーションが展開されがちというわけだ。
実際、当時の使い方は”セケン”的だった。mixi上で友人の日記が更新されると自分のページに通知が届くわけだが、書き手は足あとをチェックして誰が読んでいるかを確認する。そのため、友人登録した側は、相手に不快な思いをさせないようちゃんとチェックしないといけなかった。内容の興味関心よりも相手への配慮が先立っていたということになる。ミレニアル世代の私たちは、そんな煩わしさから、TwitterやFacebookのタイムラインに自由を求めて逃げ出してきたのではなかったか?
しかしながら、Z世代(1996年〜2012年頃の生まれ)にはmixiが新鮮で興味深いものとして捉えられている。Simejiランキング『Z世代が選ぶ!!「トレンド寸前!次世代SNS TOP10」』では、第5位にmixiがランクインした(なお、集計期間は2022年12月21日週で、有効回答数は10~24歳の男女367人)。
Z世代はmixiをどうみているのか。
第一に、彼らにとってmixiは「モンスターストライク」をつくったゲーム会社というイメージの方が強い。そのモンストもゲームを通じて友達やユーザー同士の関係性が深まるようデザインされている。そのクールなゲーム会社が実はSNSもやっていたという印象になっているのだ。