米国のAndroidおよびiPhoneユーザーは、中国の組織的犯罪集団による危険なSMSメッセージの氾濫にさらされている。FBIは、この種の詐欺が「州から州へと」全土に広がっていると警告しており、いまだにどの通信事業者や端末メーカーもこれを阻止できていない。事態は悪化しているだけで、改善の兆しはまったく見られない。
善意の返信を狙った、間違いメッセージ
配達されていない荷物や未払いの高速道路通行料金を装ったメッセージがニュースの見出しを飾ってきたが、警察が「最新かつ最も急速に拡大しているデジタル詐欺」と呼び、米連邦取引委員会(FTC)も米国人への脅威として強調する別の悪質なSMSメッセージがある。
New FTC data show top text message scams of 2024; overall losses to text scams hit $470 million. Fake package delivery issues and phony job opportunities were most frequently reported. Learn more: https://t.co/XFbJ1jceJE
— FTC (@FTC) April 16, 2025
それは、いわゆる「間違い番号トリック」で、すでに数千万もの米国人に送信されており、しかも毎日数え切れないほど新たなメッセージが送りつけられている。これらのメッセージの狙いは返信を誘い、受信者を会話に引き込むことだ。FTCは「これらのやり取りはしばしばロマンチックなニュアンスを帯びた会話に発展し、投資詐欺やその他の詐欺につながる可能性があります」と警告している。
もしまだこのようなメッセージを受け取っていなくても、いずれ受信する可能性は高い。単に見知らぬ名前を呼びかけるメッセージかもしれないし、「ねえ、ステイシー、6時に会う予定だよね。今そちらに向かってるよ」というように、善意から「間違い番号ですよ」と返したくなるものかもしれない。
ほかにも、医師の予約や社交イベント、葬儀、病院へのお見舞い、久しぶりの連絡など、あらゆる口実で返信を引き出そうとする。これは純粋なソーシャルエンジニアリングであり、人がつい返信してしまう心理を巧みに突いている。こうしたメッセージはたいてい、あなたの名前とは異なる名前を挙げて始まる。最初から「間違い番号だ」と思わせることが狙いである。