Twitter(ツイッター)の共同創業者ジャック・ドーシーが立ち上げ、一見するとツイッターによく似たソーシャルメディアアプリ「Bluesky(ブルースカイ)」が、ネット上でにわかに話題になっている。イーロン・マスクによる
買収後のツイッターに不満をもつツイッターユーザーにとって、代わりのプラットフォームになるとの見方も出ている。
ブルースカイはまだ完全には一般公開されておらず、
現在は招待制となっている。2月にApple(アップル)の「iOS」向けの
ベータ版が公開されたのに続き、4月にGoogle(グーグル)の「Android」向けのベータ版の提供も始まった。
ブルースカイに
参加するには、待機リストに登録するか、すでに参加している人から招待してもらう必要がある。ユーザーになると、週に1つ、新しいユーザーを招き入れることのできるコードを付与される。
ブルースカイのユーザーインターフェース(UI)はツイッターとそっくりだが、基盤となっている仕組みが異なる。ツイッターが「集中型」のプラットフォームであるのに対して、ブルースカイは
「分散型」のプラットフォームだ。
分散型プラットフォームでは、ユーザーデータは運営企業の所有するサーバーではなく、
独立したサーバーに保存される。ブルースカイの
ジェイ・グレイバー最高経営責任者(CEO)は3月のブログ
投稿で、ユーザーは自分用のサーバーを用意したり、データを失わずにサーバーを切り替えたりできると説明している。ユーザーはまた、
表示される投稿を管理するアルゴリズムの選択でも、より大きな権限をもてるようになる。
ブルースカイでは、ユーザーの投稿は「
スキート」(ツイッターでいう「ツイート」)と呼ばれ、自分の「
スカイライン」(ツイッターの「タイムライン」に相当)に表示されるスキートを「いいね」したり、再び投稿したりもできる。ただし、現時点ではダイレクトメッセージ(DM)やハッシュタグには対応していない。
ツイッターをめぐっては、
オーナーのマスクが進める改変にユーザーがいらだちをあらわにするようになっている。そうした事情を背景にブルースカイへの注目度が急速に高まったわけだが、実のところブルースカイの
開発は数年前から進められていた。ドーシーはツイッターに在籍していた2019年にこのプロジェクトを
共同で立ち上げている。当初は、ツイッターと互換性をもたせ、競合するソーシャルメディア間でユーザーがアカウントや投稿を移行しやすくすることを目指していた。だが結局、2022年、マスクによるツイッター買収に先立って、ブルースカイは
別会社として切り離されることになった。