匿名筋の話として開発を最初に報じたインドのビジネスニュースメディア「Moneycontrol(マネーコントロール)」によると、新SNSはメタ傘下のInstagram(インスタグラム)と同じ認証情報でアクセスできる派生アプリになるという。
コードネーム「P92」と呼ばれるこのアプリは、ツイッターの代替となっているオープンソースのSNS「Mastodon(マストドン)」で使われている分散型プロトコル「ActivityPub(アクティビティパブ)」と互換性があるものになるとされる。
分散型プラットフォームであることから、ユーザーは独立したサーバーを自ら作成したり、他のサーバーに参加したりできるが、「他のサーバー上の人々に投稿をブロードキャスト」 する機能も用意される予定だとマネーコントロールは伝えている。
サービス開始段階でのP92の機能はツイッターと非常によく似たものになるが、投稿に対するコメントやメッセージ機能は後に追加される見通し。新サービスの会員登録をするユーザーとしないユーザーの両方について、インスタグラム上での名前やプロフィール写真、フォロワーなどの既存データを流用するとのことだ。
メタはプラットフォーマーに送付した電子メールで「私たちはクリエイターや著名人が自分の関心事に関するタイムリーな最新情報を共有できる別のスペースをつくる機会があると考えている」と述べている。
ツイッターはマスクに昨年買収されて以来、コンテンツモデレーションや規約変更などさまざまな問題をめぐって論争を巻き起こしている。最近では大規模障害や不具合も頻発しており、主要なエンジニアを含め従業員の75%以上を解雇したマスクの決定が原因とみられている。
このような問題から、マストドンやPost.news(ポスト・ニュース)といったプラットフォームに乗り換えるユーザーもいる。こうした代替SNSの中には、当初は好調だったものの、現在はユーザー数が減少しているものもある。マストドンは最盛期には約250万人のユーザーを抱えるまでに成長したが、それでもツイッターの総ユーザー数の1%程度に過ぎなかった。
一方、インスタグラムの月間アクティブユーザー数は20億人で、ツイッターの8倍の規模を誇っている。インスタグラム、フェイスブック、WhatsApp(ワッツアップ)を合わせたメタのSNSアプリの世界総ユーザー数は37億4000万人に上る。
(forbes.com 原文)