クンハ博士は、驚くことにオウムは自分が他のオウムと交流していたことを「理解していたらしい」と語った。オウムがビデオ通話の中で使用した発声の種類とパターンを分析したところ、野生のオウムが相互作用する際に使用するコール・アンド・レスポンス構造に似ていた。
世話人らは、一連のビデオ交流が自分たちのオウムにとって有意義な体験であったと報告し、中には、自分のオウムがビデオ友だちから、発声、羽づくろい、さらには初めて飛ぶ時の新しいスキルを学習したと報告した世話人もいた。
「彼女は通話の最中しているうちに元気になりました」とある世話人は報告した。
「行動の違いの幅広さにはかなり驚かされました」とハースキー・ダグラス博士は語った。「歌ったり、じゃれて仰向けになったりするものもれば、自分のおもちゃを相手のオウムに見せたがるものもいました」
一連の実験にとって、オウムたちがおしゃべりを楽しんだことだけでなく、彼らの世話人たちも重要な存在だった。世話人から受ける特別な注目を喜ぶオウムがいた一方で、驚くかもしれないが、画面上の人間に対して強い愛情を示したと思われるオウムもいた。
「なんらかの強い社会力学が現れじめました」とクラインバーガーは指摘した。
実験に参加したオウムは、特定のチャット相手に対して強い選り好みを示した。例えば、クンハ博士のペットで本稿にも登場した、11歳のシロビタイムジオウムであるエリーは、カリフォルニアに住むヨウムのクッキーと親友になった。
「あれから1年以上になりますが、今でもおしゃべりしています」とクンハは語った。
ペットのオウムを飼っている人は全員専用のタブレットを買って使わせるべきか? 答えはノーだ。研究結果が示すように、オウム類は誰といっしょに行動するかに関して選り好みが強く、監視されていない対話は、恐怖、ときには暴力や物的損害につながる可能性がある。多くのオウムのくちばしは、iPadをバラバラにする能力を十分に備えている。