オウムが仲間とのビデオ通話で寂しさをまぎらわせる可能性

Matthew Modoono / Northeastern University

ビデオ通話で別のオウムとしゃべるオウムは、孤独感が和らいだ兆候を示すことが最新の研究でわかった。

オウムは人気の高いペットだが、彼らが驚くほど賢く、感受性が強く、非常に社会的な鳥であることに気づかない人は多い。人間が人間の友だちとおしゃべりする必要があるのと同じように、オウムはオウムの友だちとおしゃべりする必要がある。人は寂しいとき、友だちに電話したり、ノートパソコンでビデオ通話をする。しかし、オウムたちはどうやって寂しさをまぎらわすのだろう?

「ビデオ通話テクノロジーは、新型コロナによるパンデミックの初期に、ウイルス拡散を防ぐために自主隔離が不可欠だったときに多くの人々を救いました」と、共著者でグラスゴー大学でコンピューターサイエンスの講師を務める計算機科学者イリエナ・ハースキー・ダグラス博士は声明で語った。同氏は動物コンピュータ相互作用分野の先駆者の1人で、動物のために新しい方法や新技術を開発する専門家だ。

「米国には家庭に住むオウムが2000万羽います。この鳥たちもビデオ通話の恩恵を受けるかどうかを私たちは知りたかったのです」

野生のオウムは大きい群れで暮らすのが普通だが、ペットのオウムは人間家族の孤立したメンバーになることが多く、孤独を感じさせられる。

「もし彼らに他のオウムと通話する機会を与えたら、喜んでそうするのでしょうか、その体験はオウムたちや飼い主に恩恵を与えるのでしょうか」。博士はそれを知りたかった。

そうした疑問を解明するために、ハースキー・ダグラスは、2人の協力者とともに研究を開始した。ノースイースタン大学に所属し、ペット用オウムと飼い主のためのオンラインコーチングと教育プログラムを提供するParrot Kindergarten, Inc.の共同創業者でもあるオウム行動研究者のジェニファー・クンハおよびノースイースタン大学准教授で、College of Arts, Media and DesignとKhoury College of Computer Sciencesに所属し、MITメディアラボのリサーチアフィリエートでもある論文の主著者でクリエイティブ・テクノロジストのレベック・クラインバーガーだ。クラインバーガー博士は、音声の持つ、異種間交流を含む新たな体験を生み出す隠された可能性を解明する研究を専門にしている。

この研究のために、クラインバーガーらは、Parrot Kindergartenを通じて18羽のオウム被験者を集め、それぞれにタブレットを見せて、同じく研究に参加している他のペット用オウムとビデオ通話することを学習するかどうかを調べた。しかしその前にまず、世話人がオウムとの関係を損なわないように、彼らを注意深く訓練する必要があった。
次ページ > 自分の意志でベルを鳴らし、話したい相手を選ぶように

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事