ビジネス

2023.04.06 16:30

アマゾンとアップル、伝統的なスポーツ中継・エンタメ・広告を破壊する

安井克至
アマゾンとアップルが明言した年間10億ドル(約1308億円)という金額は、Warner Bros.(ワーナー・ブラザース)やUniversal(ユニバーサル・ピクチャーズ)の映画予算に匹敵する。劇場映画はアカデミー賞のノミネート対象になるだけでなく、アマゾンとアップルのストリーミング・サービスの宣伝にもなる。

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2022年、アマゾンは380億ドル(約5兆円)の広告収入を生み出した。伝統的メディア会社のどこよりも大きい数字であり、上にいるのはアルファベット(グーグル)とメタ(フェイスブックとInstagram、インスタグラム)だけだ。アマゾンは第4四半期だけで広告収入116億ドル(約1兆5000億円)を上げ、対前年比19%増を記録した。アマゾンの増収を支えているのが同社のリテールメディアネットワーク(RMN)だ。RMNは最も成長の早いデジタルメディア部門になった。

アップルの2022年の推定広告収入は、比較的控え目な40億ドル(約5兆2000億円)だった。それでもアップルは、広告収入を生み出す準備を進めている。Apple TVに広告付サービスコースが導入されるという憶測もある。今年2月、アップルはローレン・フライを雇い、ビデオ部門のための広告販売チームを結成した。

一連の拡大路線にも関わらず、最近アマゾンとアップルは人員削減が報じられ、他のデジタルおよび伝統的メディア企業に続いている。今年3月、アマゾンは新たなレイオフで9000人が対象になることを発表した。これは同社がこれまでに計1万8000人の従業員をレイオフしてきたのに続くものだ。アップルでさえも、少数の職員をレイオフすると報じられている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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