ビジネス

2023.04.06 16:30

アマゾンとアップル、伝統的なスポーツ中継・エンタメ・広告を破壊する

安井克至
アップルもスポーツのライブストリーミングに積極的だ。今年2月、Apple TVはMLS(メジャー・リーグ・サッカー)のゲームを全世界に配信開始した。さらにApple TVは、金曜夜のMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)のゲームを昨年に続いてストリーミングする。今シーズン、ファンがゲームを見るためにはApple TVのサブスクリプションが必要という新たな趣向が加わった。

アマゾンとアップルがライブストリーミングに興味を示してきたスポーツが、英国のサッカーだ。両デジタル巨人とも、イングランドのプレミアリーグの試合を英国で配信することに関心を持っている。現在、2025年に失効する契約の下、アマゾンは各シーズンに20回プレミアリーグの試合をストリーミングする権利を持っている。ブルームバーグによると、次のラウンドの放映権交渉には、イングリッシュ・フットボールリーグが運営する全試合が含まれるという。アマゾンはすでに、サッカーUEFAチャンピオンズリーグの英国におけるストリーミング権を、通信最大手のBTと共有している。

アップル、アマゾンのいずれもが、2023~24年に失効するPac-12(パシフィック12カンファレンス)スポーツのメディア権を獲得すると噂されている。しかしもっとインパクトの大きい契約はNBAだ。現在のメディア権利は2024~25シーズンが終わると失効し、現契約者のDIsney(ディズニー)とWarner Bros. Discovery(ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)が2024年4月まで独占交渉権を持っている。CNBCは、アマゾンとアップルが2025年から始まるゲームのストリーミングパッケージの交渉に関心を寄せていることを報じた。メディア権利料は現行の3倍になるとの見方が強い。すでにアマゾンは、ブラジルにおけるNBAゲームの放映権を持っている。
次ページ > ハリウッドにも影響を与える

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事