エンターテインメント
アップルとアマゾンはハリウッドにも影響を与えている。両社とも、評価の高い映画やテレビ番組の数々を積極的にストリーミング、および製作している。例えば、Amazonスタジオは『マーベラス・ミセス・メイゼル』と『フリーバッグ』でエミー賞コメディ作品賞を受賞した。昨年9月、アマゾンは『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』を公開し、ファーストシーズンの価格、7億1500万ドル(約936億円)は史上最高額のテレビシリーズとなった。Amazonスタジオは2016年に公開されたアカデミー賞作品賞ノミネート作品『マンチェスター・バイ・ザ・シー』も製作している。また昨年アマゾンは、MGM Studios(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・スタジオ)を買収し、契約金額は84億5000万ドル(約約1兆1055億円)と報道された。その契約でアマゾンは膨大な映画およびテレビ作品の権利を取得し、そこには過去と将来のジェームズ・ボンド映画も含まれている。
2022年11月、アマゾンは毎年10億ドル(約1308億円)を投じて12~15本の劇場向け映画を製作すると発表した。2023年4月にアマゾンは、ベン・アフレック主演の『エア』をプライムビデオでのストリーミングに先立って劇場公開する。3月には、アマゾンがAMCエンターテインメントの買収を検討していることが報じられた。AMCは世界最大の映画館チェーンで全世界に600以上の劇場を持っている。他の映画館チェーン同様、AMCエンターテインメントはパンデミック後は財政難に陥っている。
Apple TV+も、権威あるエンターテインメント界の賞を複数受賞しており『Coda コーダ あいのうた』はアカデミー賞作品賞にノミネートされた。『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』は、最初の2シーズンが連続してエミー賞作品賞コメディシリーズ部門を受賞したほか、多数の男優・女優賞を獲得した。
今年3月、アップルも毎年10億ドル(約1308億円)を投資して劇場用映画を製作することが報じられた。2023年に劇場公開予定の作品には、、監督マーティン・スコセッシ、主演ロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオの『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』が含まれている。主要あるいは伝統的映画会社を所有していないアップルは、Paramount(パラマウント・ピクチャーズ)と提携して映画を公開している。今年アップルが公開する可能性のある作品には、マシュー・ヴォーン監督の『アーガイル』、リドリー・スコット監督の『ナポレオン』がある。