リスクを嫌う部下をマネジメントする4つの方法

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マネジメント職に就いている者にとっては、ちょっとした衝撃かもしれない。大抵の従業員は、リスクをとることを好んではいないのだ。

例えば、筆者が創業したコンサルティング企業のLEADERSHIP IQ(リーダーシップIQ)が行ったオンライン調査「How Do You Personally Feel About Change?(あなたは変化をどう受け止めるタイプ?)」に答えてくれた数万人について検証してみよう。この調査には、以下の3つの選択肢から、自分の傾向に近いものを選ぶ設問がある。

・リスクをとるのが好きだ
・リスクをとった方が賢明だと思えるときは、そうする
・リスクをとるのを避けている

回答者全体で見ると、1番目の「リスクをとるのが好きだ」を選んだ人の割合はわずか28%だった。だが、トップクラスの幹部に限ると、その割合は40%とはるかに多くなる。

また、別のオンライン調査「What Motivates You?(あなたのモチベーションの源泉は?)」に回答してくれた50万以上の人で見ると、そのうち約3分の1は「安定を得たい」という気持ちに動かされていることがわかった。こうした人たちは、継続性や一貫性、予測可能性を求めている。対照的に、冒険を求める強い衝動を持ち、リスクや変化、不確実性からモチベーションを得るという人は、10人に1人と、かなり少なかった。

ここからわかるのは、大半の人は、リスクをとったり最先端に身を置いたりすることを好まないというシンプルな事実だ。一方で、企業幹部はこうした行動を好む傾向が強く、それが組織のトップレベルにまで登りつめた理由の1つになっている場合も多々ある。しかし、現場で働く人たちのほとんどは、安定していて、先の見通しが立つと感じられる環境を好んでいる。

こうした現実を踏まえて、企業幹部たちは、部下たちの「リスクを避けたい」という自然でもっともな気持ちに寄り添い、自身のリーダーとしてのスタイルを調整する必要がある。以下では、リスクに対する許容度が自身よりもはるかに低い部下たちのマネジメントをする際に、リーダーが心がけたい4つのポイントについて説明していこう。

第1に「相手に対して期待すること」をできる限り明確化しよう。安定を求める気持ちが強い人は、自分が従うべき明確なルールやガイドラインを好むケースが多い。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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