2番目にカギを握るのは、透明性だ。リスク回避型の人物は一般的に、正直さと透明性に価値を置くものだ。会社の体制の変化や予算の制約など、仕事の安定性に影響を与える要素に関する情報を多く伝えるほど、部下は安心して仕事に打ち込んでくれるだろう。
第3に、常にそうできるとは限らないだろうが、安定して一貫した状況を維持できれば、メリットは大きい。部下の仕事環境を、一時の気まぐれによる変化がない、一貫した状況に保つことができれば、より大きな成果を上げてくれるはずだ。
第4に、部下の貢献を認め、評価しよう。これは、リスク回避型の部下に限った話ではないが、安定や一貫性を強く求めるタイプの部下に、ずっと仕事をしてもらうためには非常に強力なツールになる。上司からのちょっとした言葉などの後押しで、部下は、注目されていると感じ、今の仕事が正しい方向に向かっていると感じられるようになるだろう。
ここまでの話をまとめると、リスク回避の傾向がある部下がいるチームでは、上司は自分の行動について、前もって計画したかたちにするよう心がけるべきだ。例えば、新しい変更事項を伝えるときに、メモも用意せずに、頭に浮かぶことをダラダラと話すのは避けよう。自分の言葉や行動について、前もって入念に考えておくことが大切だ。
自分自身は最先端に立つことで生まれる興奮状態がたまらなく好きだとしても、誰もがそうではないという点は、上司として肝に銘じよう。部下に期待することについては明確に示し、透明性を保ち、可能な限り安定して一貫した状況を提供するようにしよう。こうした点を心がけることで、冒険よりも安定を好む従業員から、はるかに良いパフォーマンスを引き出すことができるはずだ。
(forbes.com 原文)