仲間のウェルビーイングをケア リーダーができる3つの声がけ

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いつも通り6時に目覚ましが鳴る。カーテンを開けて日を浴びるのが習慣になってから目覚めがよくなった気がする。冬の朝は何歳になっても辛いものだが、気持ちの切り替え方を知ってからはずいぶんと楽になった。

朝ごはんを作り、コーヒーを入れながら、ポッドキャストを聞く。ここで異変に気がつく。いつもは頭に入ってくるポッドキャストから流れてくるニュースが、全く頭に入ってこない。どこか心ここにあらずで、音声だけが無意味に部屋に響き渡り、その音で家族が目覚め始める。

何も変わらない日常、体も通常運転だけど、心が追い付いていない。そんな時はないだろうか。もしくは、心はいたって元気なのに、なぜか体が疲れているなんて時もあるかもしれない。

心のシグナルと体のシグナルは常に一致しているわけではない。疲れていることに気が付かずに走り続けると、突然、動けなくなるなんてこともなきにしもあらずだ。自分だけの話ではない。リモートワークが定着し、チームメンバーと顔を合わせることが減ったことで、みんなのコンディションの変化にも気が付くことが難しくなってきた。

そんな時、リーダーが使うことができる3つの声がけを紹介したい。

1. How are you?

日本語でこういう会話をすることはあまりないかもしれない。ただこの単純な質問の力は大きい。僕は日本語で「調子どう?」と聞くことにしている。「元気?」でもいいのだが、なんとなく元気が前提の質問に聞こえて違和感がある。「調子どう?」だと、ポジティブなことでもネガティブなことでも話しやすい雰囲気を作ることができる。

すぐに明確な答えを聞くことができなくても問題ない。なにせ相手も自分の調子をわかっていないこともあるのだから。この問いを通して自分の心を体に問いかけるきっかけを作るのだ。

How are you?と聞くときは、その話を5〜10分してもいい位の余裕を持っておく。そしてそこからでてきた話題を楽しもう。これを続けていくと、わずかな変化が大きな変化に見えてくる。

とある日の1on1で「調子はどう?」と聞いたら、「最近ピラティスを始めたんです!」と言ってくれた人がいた。お陰で心も体も元気なのがわかって安心した。いつもこの質問をしておくと、心や体のシグナルにお互いに敏感になりやすくなる効用がある。ぜひ試してみてほしい。
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