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アマゾンジャパン産業医の鈴木英孝先生

優秀で真面目な人ほど心が折れやすい──。これは、免疫学の大家である安保徹教授に著書『まじめをやめれば病気にならない』があるほか、多くの専門家が指摘していることだ。

厚生労働省によれば、精神障害による労災補償の請求件数は2018年が1732件で過去最多、1586件の前年度と比べ9.2%増で、5年連続の増加を記録した。認定件数も2年連続で増加している。2000年の労災請求件数「212件」の実に7倍以上だ。また、労働安全衛生調査(厚生労働省)によれば、6割近い労働者が、職場あるいは仕事に対する不安や悩みといった強いストレスを感じているとのことだ。

ジェフ・ベゾス率いる、シアトルに本社を構えるアマゾンでは、仕事と生活を「調和」させる「ワークライフハーモニー(Work Life Harmony)」という考え方を実践しているという。

この世界最高峰の企業で働く人たちはどのように多忙やプレッシャーから心を守り、ハイパフォーマンスを発揮しているのか。アマゾンジャパン産業医の鈴木英孝先生、人事部・ジャパンコーポレートディレクターの上田セシリアさんに、「心を守りながら仕事で成果を上げる秘訣」について話を伺った。

「歯磨きの時に鏡の中の自分をよく見る」が、自己肯定感を高める

──鈴木先生、毎日の仕事に追われ、心身が疲れてくると、仕事で成果を上げても「今回は偶然だ、次は同じようにいかないかもしれない」と思ってしまいがちです。自己肯定感を高く持つには何をすればよいでしょう?

自己肯定感の高い人は、不安耐性が高い。つまり、心が折れにくい、ということは確かだと思います。そして、自己肯定感を高めるには、なんと言っても、自分を大切に扱うこと、ですね。

では、自分を大切に扱うにはどうしたらいいか。それは、自分のココロとカラダに関心を持つことだと思います。まずは朝、歯磨きの時に顔を見る。鏡の中の自分をよく見る。そこで顔色、肌のツヤなどの確認から始めてみてください。それが、メンタルな状態も含めて自分の健康状態に敏感になるための習慣の第一歩です。



それから、たとえば僕自身はランニングをしているんですが、体調が悪いと走り始めてすぐにわかる。でも、辛くても行けるところまで行こう、と思ってがんばって走っていると、意外と調子が戻ってきて走れたりする。

仕事でも、無理だと思うポイントを知って、がんばってそこをちょっと越えてみる。その小さな成功体験を重ねることで、自己肯定感は高まって行くと思います。ランニングなどの運動は、そのためのイメージトレーニングにすこぶる効果的だと感じています。

あとは、食事の時間をしっかり取る。業務に忙殺されると、つい食事もデスクで仕事をしながらになりがちです。食事をちゃんと取る、運動をする時間を捻出するためには、1日のスケジュールを逆算して、時間を確保することが大事です。そうそう、忙しい人ほど運動はするべきですね。そうすれば時間管理も上手になってゆく。

ちなみにアマゾンには、上司との「ワン・オン・ワン(1対1の面談)」のカルチャーがあります。頻度は週に1度だったり隔週だったり色々ですが、定期的にこれを行うことが強く推奨されている。その場で上司が部下の肯定感を確認できることもあるし、自分で確認することもできますね。

構成=石井節子

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