WOMEN

2023.03.10 08:15

STEM女子学生 x 高専生が語る「ジェンダーギャップ問題」のリアル

関谷:私はめちゃめちゃ文系でした。最初は経営学部に進学し、メディア系のスタートアップでのインターンを始めたのですが、社内で周りにプログラミングの勉強を始める人が多かったんです。

そんなにカジュアルに学べるものなの?と話を聞くうちに興味を持ち、プログラミングスクールに通いました。それから休学期間を経て、いまはマレーシアの大学でサイバーセキュリティを専門に学んでいます。

今はマレーシアの大学で定められたインターン期間なので、日本に帰って来て、以前と同じ会社でソフトウェアエンジニアのインターンをしています。

女性のロールモデルが少ない!映画やYouTuberに憧れ

──STEM分野の女性のロールモデルはいますか。もしいなければ、ジェンダー関係なく教えてください。

佐久間:女性ではありませんが、柳田理科雄さんです。小学生の頃読んだ『ジュニア空想科学読本』の作者です。この本、とっても面白くて。アニメやゲームの中で起こる事象は、現実で再現可能か、可能ならどう再現するのか書いてあるんです。ウルトラマンの堆積を測るため水槽を使った実験や、『進撃の巨人』の立体機動装置は本当に飛べるかを検証したり。

この本を通じて柳田さんに教えてもらったように、私も誰かに科学の楽しさを教える人になりたいと思っています。

柳田理科雄さんの空想科学研究所「KUSOLAB」YouTubeから


大森:架空の人物になりますが、私が宇宙に興味をもったきっかけの映画『ゼロ・グラビティ』の主人公、女性宇宙飛行士のライアン・ストーンです。

序盤に宇宙船が壊れ、ライアン以外の全員が死んでしまうんです。彼女は一度、自ら死を選びそうになりますが、それでも仲間の遺志を継いで生きようと覚悟を決めます。そしてその知恵と経験で、地球への生還を果たします。彼女の行動力と気概をすごく尊敬しています。

バラティ:私は身近な人に憧れることが多いです。理系の学問が得意な友達とか。

大学で私が通っているコースの教員は、男性ばかりなんですが、そのなかでひとり活躍する女性教員を尊敬しています。女性教員がもっと増えたらいいな、とも思いますね。STEM分野の女性のロールモデルが身の回りに少ないため、自分が実際に理系分野で活躍することを想像しにくいな、と感じています。

女性のロールモデルが増えれば、女子学生も安心してSTEM分野を志すことができるんじゃないかな。

関谷:私も身近にはSTEM分野の女性はなかなかいないので、特定のロールモデルはあまり思いつかないです。でも、YouTubeで女性ソフトウェアエンジニアの方のことを知ると、自分もこうなりたいなと思いますね。

家族は応援してくれたけど......

──理系の道に進学したことについて、周りの友人や家族、先生などの反応は。

大森:反対する人はいませんでした。ただ、学校が実家からとても遠くて、高専は知名度もあまりないから、学校からは情報が入ってこなくて困りました。高専のことは、自分で一生懸命調べましたね。家族と離れて暮らすことになりましたが、家族は本当に応援してくれています。
高専で、DNAの抽出実験をする佐久間さん

高専で、DNAの抽出実験をする佐久間さん


佐久間
:私は高専に進学するには県外に出ることになり、心配の声もありましたが、中学2年生で高専に行くと決めた時、担任の先生が近隣県の高専の情報をくれて本当に助かりました。

だけど、中学3年生の担任の先生には、普通校を勧められました。高専は男の子が多いイメージだからかな。先生も友達も「本当に大丈夫?」と心配してくれました。家族や親戚は「好きなようにしたらいいよ」と、私の挑戦を後押ししてくれたので高専に進学できました。
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聞き手・構成=督あかり 文=椿ことね

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