そんなにカジュアルに学べるものなの?と話を聞くうちに興味を持ち、プログラミングスクールに通いました。それから休学期間を経て、いまはマレーシアの大学でサイバーセキュリティを専門に学んでいます。
今はマレーシアの大学で定められたインターン期間なので、日本に帰って来て、以前と同じ会社でソフトウェアエンジニアのインターンをしています。
女性のロールモデルが少ない!映画やYouTuberに憧れ
──STEM分野の女性のロールモデルはいますか。もしいなければ、ジェンダー関係なく教えてください。
佐久間:女性ではありませんが、柳田理科雄さんです。小学生の頃読んだ『ジュニア空想科学読本』の作者です。この本、とっても面白くて。アニメやゲームの中で起こる事象は、現実で再現可能か、可能ならどう再現するのか書いてあるんです。ウルトラマンの堆積を測るため水槽を使った実験や、『進撃の巨人』の立体機動装置は本当に飛べるかを検証したり。この本を通じて柳田さんに教えてもらったように、私も誰かに科学の楽しさを教える人になりたいと思っています。
大森:架空の人物になりますが、私が宇宙に興味をもったきっかけの映画『ゼロ・グラビティ』の主人公、女性宇宙飛行士のライアン・ストーンです。
序盤に宇宙船が壊れ、ライアン以外の全員が死んでしまうんです。彼女は一度、自ら死を選びそうになりますが、それでも仲間の遺志を継いで生きようと覚悟を決めます。そしてその知恵と経験で、地球への生還を果たします。彼女の行動力と気概をすごく尊敬しています。
バラティ:私は身近な人に憧れることが多いです。理系の学問が得意な友達とか。
大学で私が通っているコースの教員は、男性ばかりなんですが、そのなかでひとり活躍する女性教員を尊敬しています。女性教員がもっと増えたらいいな、とも思いますね。STEM分野の女性のロールモデルが身の回りに少ないため、自分が実際に理系分野で活躍することを想像しにくいな、と感じています。
女性のロールモデルが増えれば、女子学生も安心してSTEM分野を志すことができるんじゃないかな。
関谷:私も身近にはSTEM分野の女性はなかなかいないので、特定のロールモデルはあまり思いつかないです。でも、YouTubeで女性ソフトウェアエンジニアの方のことを知ると、自分もこうなりたいなと思いますね。
家族は応援してくれたけど......
──理系の道に進学したことについて、周りの友人や家族、先生などの反応は。
大森:反対する人はいませんでした。ただ、学校が実家からとても遠くて、高専は知名度もあまりないから、学校からは情報が入ってこなくて困りました。高専のことは、自分で一生懸命調べましたね。家族と離れて暮らすことになりましたが、家族は本当に応援してくれています。佐久間:私は高専に進学するには県外に出ることになり、心配の声もありましたが、中学2年生で高専に行くと決めた時、担任の先生が近隣県の高専の情報をくれて本当に助かりました。
だけど、中学3年生の担任の先生には、普通校を勧められました。高専は男の子が多いイメージだからかな。先生も友達も「本当に大丈夫?」と心配してくれました。家族や親戚は「好きなようにしたらいいよ」と、私の挑戦を後押ししてくれたので高専に進学できました。