関谷:幼少期の育ち方によって将来が左右されると思っています。私は女の子向けのおもちゃで人形遊びをしていましたが、兄のようにブロックを使った頭脳系のおもちゃで遊んでいれば、今よりもっと理系の頭脳になっていたんじゃないかって。
今は小中高でタブレットやパソコンを使って学習する動きがありますよね。子供のうちからITに触れる機会が与えられているのは良いことだと思います。ゲームをしているうちに理数系やプログラミングに興味を持つなど、STEM分野に慣れ親しむきっかけとして有用だと思いますね。
宇宙工学、化学、環境工学、サイバーセキュリティ 多様な道
──みなさんの将来のキャリア像について教えてください。
大森:NASAに関わるお仕事ができたらいいなと思っています。でも、意外と私と同じように宇宙のことやりたい人って周りに少なくて。それでも、将来の夢があった方が高専生活を送りやすいなと思いますし、これからも宇宙工学・天文学を学んでいきたいです。
バラティ:大学入学時には環境系に関心がありましたが、勉強を続けるうちに今では土木に興味を持っています。最初から進む道を決めるより、選択肢を広げていろんな挑戦をしていきたいです。
今はエコシステムに貢献する、サステナブルなインフラを作ることに関心があります。環境と土木の両方の知識を生かしたお仕事ができればいいなと考えています。
佐久間:私は将来、自分の研究をしながら化学に興味を持ってもらう仕事がしたいです。私は特に超伝導体など材料系のことを研究をして、たくさんの人に教えていきたいです。生活の中で、あったら便利だなと思うものを作るには、まず材料が大切なので興味があります。
関谷:職種は決まっていないんですが、エンジニアリングには興味があります。大学でサイバーセキュリティを学んでいるのでネットワーキングにも興味が出てきてますね。社会の重要な部分に関わりたいという思いがあるので、インフラエンジニアなどの職種につけたらいいなと思います。
「偏見に負けず、勇気を持って突き進もう」
──高専生のお二人は、みなさんとお話をしてみてどう感じましたか。
佐久間:海外で活躍していたり、世界と繋がり持つ方が多かったので、大森さんのように留学を考えてみたいと思いました。いただいている奨学金をもっと活用していけるようになりたいです。大森:自分のやりたいことを否定されて、諦めてしまうのはもったいなさすぎると思ったので、これからもどんどん挑戦していきたいと思いました。
それと、これからは分野が違っても他の理系の女の子ともっと積極的に関われたらいいなと思いました。今の時代、オンラインツールを使えば簡単にできることなので、海外の人とも情報共有をしてみたいです。
──STEM分野に興味のある次世代の後輩たちに伝えたいことは?
バラティ:偏見に負けない勇気を持ってほしいです。ネットの情報をすぐ鵜呑みにするのではなくて、見極める能力が大切。自らも偏見を持たず、自分のやりたいことに真剣に取り組んでもらいたいです。関谷:自信を持って興味のある分野に進んでほしいという思いがあります。今の日本はまだ、STEM分野では女性への偏見がまだ根強く、個性を尊重することが難しい社会でもありますが、後悔のないように勇気を持ってやりたいことを選んで行けるといいですね。
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