近い将来、バーチャルショッピングにはソーシャル要素が加わり、消費者は自宅にいながら友人と一緒に買い物を楽しむことができるようになるかもしれません。最近の導入拡大の動き、没入型ショッピング体験の可能性を考えると、2023年もバーチャル商品展示会の利用や拡大は続くと思われます。
5. バーチャル商品の開発が、デジタル空間での消費者の関心を集める
2022年に多くの高級ブランドがデジタルコレクションの流行に乗りましたが、2023年以降、企業がデジタル空間で消費者との交流を図るため、より多くの分野でデジタルコレクションが試されることになると思われます。2021年に中国の中央銀行がNFT(ノンファンジブルトークン)の暗号通貨としての使用とデジタル資産の二次取引を禁止したため、デジタルコレクティブルはNFTとは異なり、取引や通貨として使用することはできません。そのため、中国ではNFTを「デジタルコレクティブル」と呼び、この明確な違いを示しています。
例えば2022年、高級ファッションブランドのMonclerは11月に創業70周年を迎えました(下写真)が、このように多くのブランドが特別な場面で新しいデジタルコレクションの発表を行いました。Monclerが投稿したソーシャルメディアWeiboへのコメントによると、同コレクションには500個のアイテムが発表され、ユーザーは同社のWeChatのミニプログラム「特別な探検」の課題をクリアすることで、それらを入手できたといいます。
Monclerのデジタルコレクションの一部 出典:Weibo
デジタルコレクションは、中国の消費者が求める希少性に応えることができますが、ブランドは希少性と入手可能性の適切なバランスをまだ模索中です。例えば10月下旬、AdidasとBalenciagaは、2022年12月4日にわずか30点のデジタルコレクションを発表しましたが、中国のソーシャルメディア上では、このコレクションはほとんど話題になりませんでした。
2023年も、コレクションサイズと利用スタイルの両面で、各ブランドによるデジタルコレクションの採用は行われると思われますが、例えば、デジタルコレクティブルの購入特典として、物理的な商品の提供も行うブランドも出てくると思われます。また、デジタルコレクティブルの増加に伴い、Eコマースプラットフォームやビデオゲームなど、デジタルコレクティブルの販売や展示を可能にするプラットフォームが増えることも予想されます。