3. プラットフォームはオンラインショッピングのソーシャル化を加速させる
ライブストリーミングの形式の変化に加え、2022年にはソーシャルメディアやEコマースのプラットフォームにより、主にバーチャルアバターを使用したオンラインソーシャライズ機能が開発されました。この2年間で、Douyin XiaowoやDouyin Zaizai(下写真)、Taobao Lifeがオンラインソーシャル機能を開発し、こうしたソーシャル機能は今後のEコマースの重要な要素の一つになると思われます。・Taobao Lifeでは、ユーザーがアバターを作成し、Taobaoの仮想世界で買い物や交流ができる。
・Douyin Zaizaiではユーザーが個々のアバターを作成することができ、Douyin XiaowoではDouyin Zaizaiによって作られたアバターが仮想世界で交流ができる。
・Tech Planetによると、2022年10月現在、Kuaishouは独自のソーシャルメタバース空間の制作に着手しているという。
俳優・ミュージシャンのAndy Lau氏がDouyin Zaizaiでライブストリームをホストしている様子 出典:36Kr
すでに多くのブランドがバーチャルコンサートを開催するなど、確立されたソーシャルスペースの力が活用され始めています。2022年10月、Coca-ColaはTMELANDと提携してファンイベントを開催し、ユーザーはCoca-Colaにちなんだアバターを作成し、バーチャルコンサート空間を楽しみました。同じくPepsiも、7月にTMELANDと提携してバーチャルコンサートを開催し、ユーザーはカスタマイズ可能なアバターで交流を楽しみました。
ブランドがデジタル空間を活用してブランド認知度向上の方法を模索する中、このようなデジタルエンゲージメントやソーシャル活動は、今後ますます増えていくことが予想されます。
4. プラットフォームやブランドは、没入型ショッピング技術を採用する傾向に
2023年の中国では、3D商品閲覧、AR試着ツール、バーチャル店舗や商品展示など、没入型ショッピング技術の普及が見込まれており、これまでの、ECサイト上のデジタル棚を閲覧するだけのような、棚型Eコマースが大きく変わる可能性があります。2022年のシングルズデーでは、Alibaba傘下のTmallが、3D、AR、VRショッピングのオプションを広く展開しました。3D体験ショッピングタブを立ち上げ、ユーザーは7つのカテゴリーで3Dデジタルモデルを使って商品を購入できたほか、下の写真のように、商品が回転して展示された複数のエリアを含む仮想トレジャールームも登場しました。
このトレジャールームは、同ショッピングフェスティバル以降もプラットフォーム上で展開され、今後のイベントにも活用される予定です。また、同イベントでは同じくTmall Luxury Pavilionで、過去1年間に発売されたデジタルコレクションのバーチャル製品展示会が開催され、ユーザーは多くのグローバルラグジュアリーブランドの60以上のコレクションをバーチャルで見ることができました。
Tmallで展開された2つの仮想トレジャールーム 出典:Tmall