ビジネス

2022.11.10 08:20

米インスタントデリバリー市場に逆風 「つくりたて惣菜」で差別化も


・2021年12月、DoorDashはニューヨークのDashMartの拠点を通じて、10~15分での食料品の超スピード配送を開始。同社は、同サービスを、時間をかけてより多くの拠点とパートナーに拡大していくとしている。

・2022年2月、DoorDashはAlbertsonsと提携し、Albertsonsの複数の食料品店から30分以内の食料品配送を開始した。

2022年3月の当社のオンライン食料品調査では、Instacart、DoorDash、Uber Eatsといった配送プラットフォームが、米国で最も人気のあるスピード配送サービスであることがわかっています。

図4. スピード配送利用者が過去12カ月間に食料品を購入したことがあるサービス(回答者の割合)

(図内の訳、コメント「スピード配送利用者は食料品購入に、垂直統合型企業よりも配送プラットフォームを多く利用している」)
対象:過去12カ月間に当日または2時間以内の食料品配送サービスを利用したことがある米国のオンライン食料品利用者437名(2022年3月24日調査)
出典:Coresight Research

4. 収益性の低下


垂直統合型企業は、資本集約的なスタートアップ企業であり、ダークストアの開設や在庫の調達など、都市や市場に参入する前に多額の資本投資が必要です。また、フルフィルメントセンターを消費者の近くに配置する必要があるため、都市部の高価なインフラが必要です。

さらには、配達員はギグワーカーよりも従業員で構成される場合が多いため、人件費が高く、激しい競争により、多くの企業が市場シェアを獲得するために大幅な割引を適用することを余儀なくされています。

2022年1月にThe Wall Street Journalが掲載した記事によると、米国のインスタント配送企業の中には、広告費も含めて1件の注文につき平均20ドルの損失を出しているところがあるといいます。また、ブルームバーグによる2022年3月の報告では、Getirは2022年に10億ドル以上の損失を出す見込みです。更に、The Informationによると、JOKRは2021年上半期に170万ドルの収益を上げたものの、1360万ドルの損失となりました。

その結果、これまで外部資金に頼っていたほとんどのインスタント配送のスタートアップは、フルフィルメントコストの増大、高額なマーケティング、その他世界経済に影響を与える課題の中で、収益への明確な道筋を示すのに苦労し、資金調達が困難となっています。
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文=RxR Innovation Initiative

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