レイ:ここ数年間、「タダで日本を変える4つの方法」を提唱しています。言葉で文化が簡単に変わるとは思っていませんが、個人的には4つのキーポイントがあると考えています。
はじめに、年功序列の社会を崩していくことです。日本は年功序列がまだまだ根強く、年下上司はほとんどいません。しかし、年功序列を崩せるのはそれこそ年長者になりますから、まずは年長者が意識して、若手にどんどん経験を積ませる必要があるはずです。
2つ目は、男女不平等の改善です。日本は世界的に見ても、男性優位の国。その理由は、日本人の男性の自信のなさがあると思います。この理由には批判が集まる可能性もありますが、人は自信がないと他人に厳しく、認めたくなくなるものです。すると「自分の方が上だ」という行動をとりがちになる。もしも自分に自信があるのであれば、相手を持ち上げるはずです。
中道:自信があれば、持ち上げても脅威でもないですからね。
レイ:その通りです。3つ目は、コミュニケーションとしての英語教育です。現在の英語の教育環境は、僕らの幼少期より圧倒的によく、YouTubeやインスタグラム、アプリを活用すれば、無料で学ぶこともできます。
また、英語のネイティブスピーカーは2万語〜4万語の語彙力があるそうですが、外国人が英語を流暢に話すためには1万語の語彙力で問題ないようです。小学校5年生レベルの語彙力が2万語と言われているので、その半分の語彙力でいいのです。そう考えると、英語を話すハードルは、自分たちが思っているよりも案外低いと言えるのではないでしょうか。
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最後の4つ目は、決断をすることです。やはりうまく行っている企業を見ていると、はっきりとした決断を下していますね。やらないならやらないとハッキリ決断し、やると決めたらやり切っています。
中道:なるほど。今あげられた4つのポイントは確かにおカネをかけずにできることばかりです。
レイ:ただ、最近オンラインのウェビナーで話したところ、「年功序列を変えようにも、日本では簡単に年長者に辞めてもらうことはできません」と言われましたね。「辞めさせるにも、おカネを払わなければいけないので、タダではできません」と。
もちろん、僕みたいに海外に住んでいる人間が偉そうに言うのは簡単だともわかっています。とはいえ、やはり気持ちの問題は大きいですね。
中道:ただ、自信がない点については、自信を持たせてもらえていないという問題もありそうです。自信があり、結果を出せるような人材であれば、年功序列も男女の違いも関係なく、英語ですら、「話せなくても伝わればいい」と考えていそうです。もちろん、決断力もあるはずです。
レイ:その通りですね。僕にも子どもができて、どうすれば自信や自己肯定感を与えられるかは気になりはじめました。そもそも自己肯定感という言葉は英語で使われることは少なく、一方で日本語では非常によく使われたりもします。