ビジネス

2022.11.05

「慎重で自信がない」日本人が変わるための4つの方法

Kitchen & Companyの中道大輔(上)とI&COファウンディングパートナー レイ・イナモト(下)

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。

Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」Forbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

10月17日配信は、ニューヨークを拠点に世界で活躍するクリエイティブディレクターである、I&COファウンディングパートナーのレイ・イナモトがゲスト。20代と30代に経験した苦難や日本の変えるべき4つの要素などを聞いた。


中道:前回に引き続き、レイ・イナモトさんをお迎えしてお届けします。これまでのキャリアを振り返って大変だったことはなんでしょうか?

レイ:パッと2つのエピソードが思いつきますね。一つは20代、もう一つは30代の話になります。20代の頃の話は、サッカーの試合中に負傷し、網膜剥離で目が見えなくなってしまい、半年以上に渡って寝たきりの状態になったことです。

中道:僕もサッカーで目をやってしまいました。ボールが当たってしまい。

レイ:本当ですか!まさに同じです。かなりシビアで、手術も3、4回受けました。そのときは、「あれ、会社に戻れないんじゃないか?」と思ったほどです。

中道:網膜剥離は回復して、見えるようになるんですか?僕は傷が入ってしまい、視界にずっと線が入っているような、真ん中だけは見えない感覚です。ただ、効き目が逆だったので、普段の生活はなんとかなっています。

レイ:僕は効き目だったので、効き目を変えなければいけませんでした。もう20年ほど経ちましたが、片目はほとんど見えませんね。その負傷で、その後のキャリアについても悩みました。

もうひとつは、30代半ばに、デザイナーとして当時在籍していたAKQAの社長と会長から「レイ、ニューヨークオフィスの経営もやってくれないか」と頼まれたことです。

それまで担当していた社員が退職したことで、社歴も長く社内を把握している僕に、「新しいチャレンジをする気はないか」と。

予想もしていませんでしたが、勉強のためにやってもいいと思い、話を引き受けることにしました。そのタイミングで、コンペで競り勝った大口クライアントの仕事を手掛けることになりました。過去最大級のクライアントで、非常にいい経験であった一方で、当時はかなり大変でしたね。

AKQA New Yorkの代表就任と、すでに就いていたCCOとしての業務、そして、大口クライアントの仕事が重なり、とにかく過酷でした。最初はクライアントも満足せずに要求も高く、非常にストレスが溜まりました。

中道:でも、当時の経験は今に生きていますよね。

レイ:正直ちょっと早かったのかなとも思いますが、そうですね。

中道:番組では、日本と世界のカルチャーの繋がりをテーマとしているのですが、日本人がもっとコミュニケーションをとることで、日本の良さも伝わるはずだという思いがあります。僕自身は世界で仕事するときは、日本人であることを意識しないことも多かったりしますが、レイさんはどのように感じていますか。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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