ビジネス

2022.10.21

飛騨高山からスイス、アメリカへ レイ・イナモトの基礎ができるまで

I&COファウンディングパートナー レイ・イナモトさん

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。

Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」Forbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

10月10日配信は、ニューヨークを拠点に活躍するクリエイティブディレクターで、I&COファウンディングパートナーのレイ・イナモトがゲスト。幼少期を飛騨高山で過ごし、スイスのインターナショナルスクール、アメリカの大学へ進学。そこからクリエイティブ業界に足を踏み入れていくまでを聞いた。




中道:今回はビジネスインベンションファームであるI&COのファウンディングパートナーを務める、レイ・イナモトさんをニューヨークからお迎えしてお届けします。東京とNYは一番時差が厳しいと思います。今日は忙しいところありがとうございます。

レイ:こちらこそ。呼んでいただき、光栄です。

中道:レイさんはアメリカのCreativity誌で「世界の最も影響のある50人」、Forbes誌で「世界広告業界最もクリエイティブな25人」に選出された、NYを拠点に世界で活躍するクリエイティブディレクターです。米大手デジタルエージェンシーR/GAを経て、欧米大手デジタル・エージェンシーAKQAに在籍。ナイキやアウディ、Xbox、グーグルなど、名だたるブランドのデジタル戦略とクリエイティブを数多く手がけてこられています。

2013年と2019年には、日本人として初めてカンヌ国際広告祭のモバイル部門とデジタルクラフトの複数部門の審査委員長に抜擢。2016年にI&COを立ち上げ、2019年7月に東京オフィスを開設されています。日本と世界をどう見ているかを中心に、ぜひ様々な話ができたらと思います。

まず、レイ・イナモトがどのように作られていったのかをお聞きしたいです。高校からスイスに行かれていますが、どういった経緯だったのでしょうか。

レイ:僕は一応東京出身ですが、2歳の頃に父親が起業する関係で、東京から岐阜の飛騨高山に家族で引っ越しました。清見村という、人間より牛の方が多い山奥の村でした。

そこで15歳まで過ごし、15歳から1年間は東京の語学学校に通い、その後スイスに移り住むことになります。子どもの頃は、何かと都会に憧れましたが、今振り返ってみると、幼少期に田舎で育ったのは悪くなかったのかなと思います。

幼稚園から中学卒業までの12年間、同じ子供たちと同じクラスで過ごすような東京ではありえない環境でしたが、一方、いわゆる“受験戦争”のようなものに巻き込まれることもありませんでした。家に帰ったら釣りに行ったり、山で遊んだり。子ども時代をのびのびと過ごせたのはよかったですね。

中道:なるほど。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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