英スナク新首相の「超富裕層インド人妻」 巧みな節税戦略の中身

英国のリシ・スナク新首相と妻のアクシャタ・マーシー(Getty Images)

英国の与党・保守党党首に選出されたリシ・スナク元財務相が10月25日、新首相に就任した。現在42歳のスナクは、妻のアクシャタ・マーシー(42)の財産のおかげで英国の超富裕層の一人となっている。

マーシーの父は、インドのハイテク企業「インフォシス」の共同創業者で推定45億ドルの資産を持つ富豪のナラヤナ・マーシーだ。彼女が父から譲り受けたインフォシスの株式(0.93%)の価値は7億1500万ドルで、彼女とスナクの財産の大部分を占めている。

フォーブスは、スナクとマーシーの資産の合計を約8億1000万ドル(約1200億円)と推定している。これは、チャールズ3世の個人資産5億ドルを2億5000万ドル以上も上回る。

2009年8月に結婚した夫妻は、イギリスとカリフォルニアに4軒の家を持ち、その価値は1830万ドルと推定される。その中で最大の物件は、ヨークシャー州北部のカービー・シグストンにある19世紀の2階建ての邸宅「マナーハウス」で、2015年7月に230万ドルで購入した。夫妻はこの物件に45万ドルをかけて、プールやジム、屋外テニスコートを備えたレジャーセンターを設置すると伝えられている。

ロンドンでは、高級住宅地ケンジントンの16 Hesper Mewsに本宅があり、4ベッドルームのテラスハウスを2010年に710万ドルで取得した。スナクは、サウスケンジントンのOld Brompton Roadにもアパートを所有しており、2001年9月に約30万ドルで購入した。

さらに、二人がスタンフォード大学ビジネススクールの学生として知り合ったカリフォルニア州では、サンタモニカの1705 Ocean Aveに750万ドル相当の海辺のペントハウスを所有していると報じられている。

マーシーは不動産以外でも多くの資産を所有しており、インフォシスの株式のほか、父親の会社の英国支社であるCatamaran Ventures UKを所有している。同社は、最新の年次報告書で400万ドルを保有し、マーシー自身から480万ドルの無利子融資を受けていることを開示した。スナクは以前、同社の50%を所有していたが、国会議員になる直前の2015年4月にマーシーに株式を譲渡した。
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編集=上田裕資

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