ソフトバンクのAIスマートコーチ、部活動改革の救世主として期待

ソフトバンクで「AIスマートコーチ」を担当する星川氏(写真左)と山口氏


新しいスポーツの定義を提案したい


近年、子どもたちのスポーツ離れ、さらには運動能力の低下が進んでいると言われている。コロナ禍でスポーツをする機会が減ったこともあるが、それ以前から、一部の競技では勝利至上主義が進み、子どもたちにとってスポーツが苦しいもの、つらいものとなってしまったという問題もある。

「僕は学生時代にアメフトなど、いろんなスポーツをしてきました。その経験は社会人になり役立っていると実感します。今の子どもたちにはスポーツを好きになってほしいし、そうなれるような環境を整えてあげたいと思っています。全員がプロを目指す必要はないですし、本格的に大学までスポーツを続ける必要はありませんが、スポーツが辛いから辞めたとか、勝てなくて挫折をしてしまったとか、そんな経験で終わるのは悲しいし、もったいないなと。

そうなってしまうのには、指導者の問題や、環境とか、いろいろな課題があると思いますが、それはDXの力でなんとかなるし、なんとかしたい。子どもの頃にスポーツを通していい経験をしたねとか、やめちゃったけど楽しかったねと思えるような体験ができれば、大人になってからまた再開することもできます。

SDGsのような、みんなが平等になれる社会においては、スポーツは勝ち上がるというよりは、その経験やプロセスを共有することに重きを置いて、みんなで楽しむことが重要です。スポーツをそういう風にもう一度再定義して提案できたら、もっといい世の中になるんじゃないかなと、本気で思っています」(星川氏)

AIスマートコーチ
AIスマートコーチ

取材中、終始笑顔だった星川氏と山口氏だったが、その口調からはスポーツで新たな文化を創りたいという熱い思いが感じられた。温暖化や高齢化社会、エネルギー問題など、子どもたちの未来には、さまざまな困難が待ち受けている。そんな中、スポーツを通して何かをやり遂げたという経験や、仲間と一緒に協力して取り組んだという経験は必ず大きな力となってくれるはずだ。

と、そんな難しい話はさておき、AIスマートコーチを実際に試してみたら、自分のフォームがあっという間に見栄えがするようになって、かなり満足度が高かった。百聞は一見にしかず。まずはアプリをダウンロードして体験してみてはどうだろうか。

文=濱中香織(パラサポWEB) 写真=吉永和久

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