ソフトバンクのAIスマートコーチ、部活動改革の救世主として期待

ソフトバンクで「AIスマートコーチ」を担当する星川氏(写真左)と山口氏


子どもたちの自主性を育むツールにも


AIスマートコーチはスマホさえあれば、お手本となる動画と自分のフォームを比較して、自分のどこが違っているのか、改善すべき点を視覚的に把握することができるのが特徴だ。
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「たとえば、昔は野球の練習というと、素振りを1000回して体で覚えろ、といった指導が当たり前でした。しかし、AIスマートコーチがあれば、4回くらいの素振りで少なくともフォームは劇的に改善されます。

まず1回自分のフォームとお手本動画を比較してみる。肘が下がっていることに気付いたら、今度は肘を上げて撮影してみる。今度は足、次は頭の位置、といった具合にダメなところが目に見えてわかるので改善しやすい。コーチに指導してもらったり、1000回も素振りをしたりしなくても、DXで賢く効率よく練習することができるんです」(星川氏)

「型が大事な競技には特に有効です。たとえば剣道とか。やみくもに練習するよりも、客観的に自分の姿を見るというのは実はスポーツをやる上でとても重要なんですよね。これが30年前にあったら、僕のゴルフのスコアももうちょっとよくなったんだろうなと思います(笑)」(山口氏)
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さらにAIスマートコーチは子どもたちの自主性を育むのにも適したツールだということを星川氏は実感したという。

「あるサッカースクールでAIスマートコーチを使ってもらった時のことです。子どもたちをいくつかのグループに分けて、それぞれのグループに1台ずつ、詳しい使い方の説明をせずにスマホを渡して試してもらいました。

すると、グループで話し合いながらアプリを使いこなして、『お前、ここがちょっと違うんじゃない?』などと、お手本動画との違いを自分たちで指摘しあっていたんです。コーチや監督から『こうしろ』と言われるのではなくて、自分たちで気付いて自主的に改善していくグループ学習のようなものが、自然に始まったのには驚きました」

ソフトバンク株式会社サービス企画本部コンテンツ推進統括部企画管理部部長の星川智哉氏
学生時代に本格的にアメフトをやっていた星川氏。その時に感じたスポーツの魅力を、多くの子どもたちに伝えたいという

小中学校のダンスの授業でも活用


「あとは実際の教育現場で喜ばれているのがダンスです。最近は小中学校の体育の授業にダンスが導入されていますが、僕らの世代の教員の方は子どもの頃にダンスなんて授業で習っていません。

教える側の先生がダンス未経験で非常に困っているというケースがあるようで、そういった先生方にも非常に評判がいいんです」(山口氏)

Dリーグと釜石市教育委員会の協力のもと、釜石市立釜石小学校で6月15日に行われたダンスの授業
Dリーグと釜石市教育委員会の協力のもと、釜石市立釜石小学校で6月15日に行われたダンスの授業。AIスマートコーチを使用
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文=濱中香織(パラサポWEB) 写真=吉永和久

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