ソフトバンクのAIスマートコーチ、部活動改革の救世主として期待

ソフトバンクで「AIスマートコーチ」を担当する星川氏(写真左)と山口氏


有料レッスンサービスで、アスリートのセカンドキャリアにも貢献


さらに注目したいのが、AIスマートコーチで自主学習しつつも、より成長するためにアドバイスを受けたい場合、プライベートレッスンやグループレッスンができる「スマートコーチ」という有料サービスだ。
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「AIスマートコーチ」

講師には元プロスポーツ選手やアスリートなど、知識や経験が豊富な専門家が登録している。その中から、自分が教えてほしいコーチを選び、予め設定されているコースを選んでクレジットカードを使って支払いをすれば、チャットや動画のやり取りで自分にあったアドバイスを受けながら練習ができる。

さらに練習動画を送信すると、コーチがペンや音声で動画を添削してくれるので、あとで自主練をする時にも役立つ。これはアスリートのセカンドキャリアとして活用していきたいという。
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「スポーツのコーチの平均年収は500万ぐらいだそうです。最近、部活動の地域化が進められていますが、地域のコーチの平均単価が時給1600円ぐらい。派遣社員より安いかもしれません。僕の感覚だと、専門性があってずっと頑張ってきた割には安いかなという印象です。でも、このサービスを使っていただければ、需要と供給をうまくマッチングさせて、指導者側の収入をアップできる。

たとえば、スポーツをやってるけど伸び悩んでいるという子どもがいたとします。その先にスマートコーチというサービスがあって、セカンドキャリアとして登録しているコーチに教えてもらう。そういう流れを作っていけたらいいと思います」(山口氏)

ソフトバンク株式会社サービス企画本部コンテンツ推進統括部企画管理部コーチング事業推進課の山口力也氏
スポーツに限らず、ピアノの弾き方やビジネスのプレゼン講座など、さまざまな場面で活用して欲しいと語る山口氏

現在、スポーツ庁が推進している部活動の地域化では、指導者不足が懸念されている。それをスマートコーチで補いたいと山口氏。また、都市部で人気のコーチに、わざわざ地方まで来てもらわなくても、遠隔で指導をうけることも可能になるので、子どもたちのチャンスも広がる。

スマートコーチにコーチとして登録するには審査を通過する必要があるが、元プロ選手であるとか、教員免許などの特別な資格は必要ない。ある一定期間、そのスポーツを本格的にやっていたという実績があればコーチになることはできる。

たとえば、学生時代にずっと野球をやっていた人が定年退職をして、コーチとして働き始めるとか。あるいは子育てが一段落した主婦が、かつてやっていたダンスを隙間時間で教えたりすることが可能になるのだ。

「今、親御さんの中には、部活は部費の中だけでやってほしいという意見が結構あるんです。子どもの頃って、水泳教室に行く子が多いんですが、小学校5年生くらいになると、やめて学習塾に通うようになるんですね。スポーツよりも勉強にお金をかけるようになるんです。

でも、本来なら子どもたちがいろいろなスポーツをやって、それを通してさまざまな経験をしてほしい。そして、親もそれを応援するのにお金を惜しまないといった文化を作ることができたらいいなと思うんです。そうなると、地域の雇用にもつながり、お金がまわって地域活性化にもつながる。スマートコーチを使ってそこまでできたらうれしいですね」(山口氏)
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文=濱中香織(パラサポWEB) 写真=吉永和久

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