Bリーグ・トヨタアルバルク東京は、夢の「次世代アリーナ」建設へどう挑むのか

TOKYO A-ARENA(仮称)内観イメージ

TOKYO A-ARENA(仮称)内観イメージ

お台場のランドマークとして愛された、大観覧車のイルミネーション消灯とともに、8月31日、パレットタウンが23年の歴史に幕を下ろした。その2日前の8月29日に、パレットタウン内のトヨタのショールーム施設「メガウェブ」跡地の再開発に関する発表があった。

トヨタ自動車、トヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社による、次世代アリーナ建設とその推進のための「TOKYO A-ARENA(トウキョウ エー アリーナ)PROJECT」の始動だ。

バスケBリーグB1のアルバルク東京のホームアリーナとなるこの「TOKYO A-ARENA(仮称)」は、2025年秋に開業予定で収容規模は1万人、3つの重点テーマとして(1)最新テクノロジー導入による「次世代スポーツエクスペリエンス」、(2)トヨタ自動車のモビリティテクノロジーを通じた「未来型モビリティサービス」、(3)リサイクル、リユースや国内アリーナ初のLEED認証取得(検討中)といった「持続型ライフスタイルデザイン」を掲げているという。

クラブの経営に加えて、このアリーナの運営を担うことになる、トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏に話を聞いた。


──ファン、関係者の皆さんにとっても、待ちに待った新アリーナの発表会で、林社長ご自身も「渇望」という言葉を使っていらっしゃいました。

この新アリーナプロジェクトは、色々な課題や困難を乗り越えながら、発足から3年ほどかけて今回の発表まで漕ぎ着けました。

ホームアリーナを代々木(第二体育館)からアリーナ立川立飛に移し、そしてまた今シーズン代々木(第一体育館)に戻るという6シーズンを戦ってきた中で、様々な議論を重ねて何とか方向性が決まり、船がリアルに動き出したことはとても嬉しい。そういった経緯や想いから、「渇望」という言葉が思わず出てしまったのかもしれません。

トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏
トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏

──土地所有はトヨタ自動車で、建物所有がトヨタ不動産。そして、運営会社・トヨタアルバルク東京との発表でした。

我々が運営会社となることにも、議論がありました。クラブとアリーナの一体運営は世界のスポーツビジネスのトレンドでもありますから、それに向かってやっていこうという声、クラブ運営に特化してほしいといった意見、両方もっともな考えです。

私自身の中には、やはり役者と舞台は一緒じゃなきゃいけないという考え方がありました。歌舞伎の劇場などもそうですよね。ホームアリーナとして、役者である選手、チーム、クラブが最高のパフォーマンスを見せるための舞台であることが重要です。

民設民営のアリーナとしては当然、多目的利用も追求していくことになりますが、役者の意図と他の目的で使う時のニーズとは、どうしても多少の齟齬が出てきます。

こういった時、あるいは建設の時点で、どこにプライオリティを置くかを検討する際には、役者の意志もしっかりと入れていく。さらには社会性なども可視化して尊重しながら、しっかりマネタイズできる事業モデルを作り上げていきたいといった考えを、丁寧にお伝えしました。

皆さん、とてもアルバルクを愛してくださっていて、我々が一番良いコンディションでいるにはどうするべきかを考えてくれました。基本的には、建物を丸ごと借受けて、アリーナ全体の事業を担当することになります。

トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏、トヨタ自動車社長・トヨタ不動産会長の豊田章男氏、トヨタ不動産取締役社長の山村知秀氏
写真左より)トヨタアルバルク東京代表取締役社長の林邦彦氏、トヨタ自動車社長・トヨタ不動産会長の豊田章男氏、トヨタ不動産取締役社長の山村知秀氏
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画像提供=トヨタアルバルク東京 編集=宇藤智子

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