──運営していくうえで、目指していることは?
あらゆるスポーツに広く門戸を開き、憧れの舞台でありながらも敷居が高いわけではない、親しみのある場所にしたい。NYに行ったら、試合がなくてもマディソン・スクエア・ガーデンに行ってみたいという観光客は多いですよね。この青海のアリーナも、東京、日本に来たなら是非行ってみたいとなるような地にしたいと思っています。
我々のホームゲームでいうと、現在の規定では30試合あるのですが、いかに繰り返し観戦していただくかが最も重要になってきます。
コアなファンの方にはもちろん、ライトなファンの皆さんにも年に5回10回と観に来ていただくにはどうしたらいいか。そういうところに刺さっていく発信をしないと、継続してアリーナを満員にすることは難しいです。ここが一つ、我々が大きな仕掛けをしていかなければいけない部分かなと。
この6年間でBリーグを取り巻く環境、あるいは皆さんのバスケを見る目、意識も変わってきたことを実感しています。東京五輪で女子代表が銀メダルという素晴らしい結果を残し、日本人の中からNBA、WNBAでプレーする、挑戦する選手も出てきました。競技レベルが格段にUPしました。
アルバルク東京で2シーズンプレー後、現在NBAに挑む馬場雄大選手
また、エンタメ性も向上して、Bリーグが掲げる「夢のアリーナ」の象徴、センターハングビジョンも当たり前のようになりました。野球やサッカーのように、「観るスポーツ」として楽しまれるための環境も整ってきたと言えます。
そこに、この変遷を見てきた我々アルバルクメンバーの経験値を掛け合わせると、これまでにないアリーナ観戦体験を生み出せると確信しています。役者と舞台の相乗効果をしっかりと出して行きたい。
TOKYO A-ARENA(仮称)内観イメージ
──「次世代アリーナ建設」や「次世代スポーツエクスペリエンスの実現」といったキーワードで、“次世代” とされたポイントを教えてください。
アリーナの建設というと、収容人数や設備に目が行きがちですが、何のために作って、どう使うか、皆さんに幅広く長く使ってもらえることが大事です。
「TOKYO A-ARENA PROJECT」の「A」は、アルバルク東京、青海、すべての始まりとしての「A」であり、Ability、つまり人の持つ力、人の可能性を広げていく場所になって欲しいという想いの「A」です。
「可能性にかけていこう」というコンセプトを掲げ、スポーツ、モビリティ、サステナビリティの3つの重点テーマのもとで、様々な可能性が集積する場所になることを目指しています。
そのためには、3年後5年後、その先の将来を見越したアイデアで作っていかなくては、2025年秋のオープン時にはすでに過去のものということになってしまいます。常に「次世代」の意識を持って取り組んでいこうというビジョンをこのフレーズに込めました。
TOKYO A-ARENA(仮称)外観イメージ