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ビジネス

2022.04.10 11:00

コンサルタントが実践、成果につながるコトバのスキルの磨き方


ここで問題です。あなたなら次の例題をどう解きますか?


ではどうしたら、ビジネススキルの根幹である「日本語」「論理」「コミュニケーション」を鍛えられるのでしょうか? 次回「実践編」では、実践に役立つトレーニング方法に言及します。

その前に、ここで3つ例題をお出しするので肩慣らしのつもりで挑戦してみてください。ビジネスにおける正解がひとつではないように、この例題の答えもひとつではありません。

あなたならどう解きますか?

〈Q1_日本語の初歩的な例題〉

問題 以下の文を適切に句点で区切り「キュレーション」の定義を一言で説明してください。

〝キュレーションとは要するに見かけのいいバケツであって、水をくむ場所がなければ成り立たないのだが、現在はその水をくむ場所を作ることが軽視される傾向があるようにも思われるため、弊社では記事を生産し、内容を作り出す、つまり水の湧き出す井戸の役割を担うことをポリシーとしている〟

〈Q2_論理の初歩的な例題〉

問題 「株式会社Xは幼児教育市場に参入すべきだ」という主張に対して、以下に書かれている1から3が論拠として適格でない理由を考え、厳密な論証を成立させる条件を提示してください。論拠の数は3つとは限りません。

当社は幼児教育市場に参入すべきだ。なぜなら……
1.幼児教育市場は今後拡大する見通しだ
2.幼児教育市場では高い利益率でのビジネスが可能だ
3.幼児教育市場では競合他社よりも顧客に選ばれるようなビジネス展開が可能だ

〈Q3_コミュニケーションの初歩的な例題〉

問題 実際にあなたの大切な部下が退職すると連絡してきたことを想定してください。それを阻止するために、あなたは何を考え、どのように振る舞うべきでしょうか? エートス、ロゴス、パトスの観点から検討してください。

エートス 相手と自分が同じ価値観をもっていることをどのように伝えるか?
ロゴス 相手の主張の中で、自分との共通認識に置き換えられそうなポイントをどう抽出するか?
パトス 相手のどの感情(怒り、忠誠心、模倣、欲望)を煽るべきか? そのために何を伝えるのか?

※解答例は次回「実践編」にて


【連載】今までにないアプローチでデジタルを理解する

#1:戦争論もドラッカーも古くない。デジタル時代こそ古典ビジネス論へ
#2:何かご一緒できたら──は無用。日本企業はスタートアップを正しく評価せよ
#3:ビジネスプラットフォームに活路? ならば肝に銘じる4つのポイント
#4:グローバルジャイアントが日本に生まれない、宗教の行動様式という新視点
#5:アワセとソロイ? 日本人の精神性が、ビジネスで弱点ではない理由
#6:日本が世界に勝つ「独自性の市場」は、スピードでもスケールでもない
#7:中堅幹部は石田三成に学べ。現代に通じる日本的リーダーシップ論
#8:コンサルタントが実践する、成果につながるビジネススキルの磨き方

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中村健太郎◎アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 通信・メディア・ハイテク アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 兼 航空飛行・防衛産業 日本統括 マネジング・ディレクター。フューチャーアーキテクト、ローランド・ベルガー、そしてボストンコンサルティンググループを経て、2016年にアクセンチュアへ参画。全社成長戦略、新規事業創造、デジタル、組織・人材戦略、M&A戦略、等の領域において、幅広い業界のコンサルティングに従事。

文=中村健太郎(アクセンチュア)

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