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ビジネス

2022.04.10 11:00

コンサルタントが実践、成果につながるコトバのスキルの磨き方


◎ レトリックの全体像

アリストテレスは、エートス・ロゴス・パトスの3要素を活かすことで、人を説得することができると考えた。

 ─── 使用する順番 ───


エートスのマーク

語り手の人柄による説得

・人格、評判、聞き手からの信頼など
・アリストテレスは、3要素の中で最も重要であると語った

ロゴスのマーク

論理の力による説得

・単に論理的であるだけでなく、聞き手の考えを利用することがポイント

パトスのマーク

感情の動きによる説得

・まずは聞き手の感情に関心を示す
・その上で、自分の意図した行動につながるように聞き手の気分を変える

作成:アクセンチュア

皆さんのなかにも、相手から反論の余地がない正論を上から目線でぶつけられて、嫌な気分になったり反発心を覚えたりしたことがありませんか?

「正しさ」は人の背中を押す原動力になりえますが、「正しさだけ」では動かないのが人間の興味深いところです。

とりわけビジネス上のコミュニケーションは、相手との関係性や立場などが色濃く反映されるため、相手が実際にどう感じているのか、表情や言葉尻から感じ取ることは容易ではありません。面従腹背もあるでしょうし、自分に対する忖度や慮りがコミュニケーションを複雑にすることもあるでしょう。

しかし、一定のトレーニングを積めば、ある程度の精度で相手の気持ちを推し量り、対策を講じることは可能です。

その上で、相手の興味関心に沿った語り口や言葉選びができるようになれば、意図とは異なる反応や対応を誘発しなくなり、軌道修正に費やす時間や労力は格段に減ります。無駄が省かれる分、コミュニケーションの質もぐんと高まるはずです。

日常のささいな業務にも大なり小なりゴールがあります。優れたコミュニケーションには、物事をゴールに向かって一気に進める力が秘められているのです。

◎ 日本語・論理・コミュニケーションを学ぶ理由

日本語力を高めることで思考が精緻になり、論理を身につけることで思考や情報が整理され、コミュニケーション力を磨くことで人の行動を変えることができる。

〈日本語〉

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(学ぶ目的)
思考の基盤である日本語の運用に対して感度を上げることで、ぼんやりした考えをシャープにする

(学びが足りていない状態・例)

●具体性を欠く
ー「あの企画進めておいて」
●情報の関係が不明瞭
ー「◯◯ですが、◯◯で、◯◯といったように、◯◯らしく、◯◯です」

〈論理〉

論理の図式
(学ぶ目的)
輪郭のはっきりした考えや情報を、目的に沿って論理的に整理することで、説得力のある主張をつくる

(学びが足りていない状態・例)
●主張に論理的な説得力がない
ー結論が受け入れられない
ーなぜそう言えるのか納得されない
ー容易に反論されてしまう

〈コミュニケーション〉

コミュニケーションの図式
(学ぶ目的)
論理的に整理された主張を、相手の性質や置かれた状況を踏まえた形(順番、表現、語り口…)で伝える

(学びが足りていない状態・例)
●論理的には正しくても、相手に受け入れられない
●はなから聞く耳を持たない
●その場では伝わったように見えても、相手の行動が変わらない

作成:アクセンチュア
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文=中村健太郎(アクセンチュア)

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