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2021.10.24 08:00

ビジネスプラットフォームに活路? ならば肝に銘じる4つのポイント

そのサービス、5割以上のシェアを取るまで「やり切る」覚悟はあるか? photo by SkyNet

そのサービス、5割以上のシェアを取るまで「やり切る」覚悟はあるか? photo by SkyNet

前回「日本企業はスタートアップを正しく評価せよ」はスタートアップの生態を明らかにし、国内大企業とスタートアップとの共創に向けた切り口を示しました。今回はスタートアップの成長のエンジンであり、テックジャイアントのコアコンピタンスとして位置づけられる「プラットフォーム」を掘り下げたいと思います。

マッチングだけではない? プラットフォームの定義とは


筆者は顧客の経営会議の場でプラットフォームという言葉を多く耳にしますが、その定義が曖昧なため会議の後に役員の方と話す中で別々の意味合いやイメージを持っていることが分かり、検討の方向性がなかなか定まらないことが多くありました。

もともとプラットフォームは高台や土台、足場など、周囲よりも一段高い場所のことを指す英単語です。駅など乗客が乗り降りする場所をプラットフォームと呼ぶのは、ここからきています。

しかしビジネスの世界、とりわけテクノロジーが絡む領域においては、非常に多義的で混乱を覚えるほどです。ざっと思いつくまま、経営会議などで耳にするプラットフォームの意味を列挙してみましょう。

●ビジネスでよく使われる「プラットフォーム」の数々


・コンピュータOS
・ソフトウェア統合開発環境
・サーバ・ネットワーク基盤
・決済基盤・課金基盤
・ソーシャルネットワークサービス
・コンテンツ配信サービス
・ECサイト
・各種マッチングサービス
・自動車の骨格部・基礎構造

少し考えるだけでこれだけ思いつきます。具体的に指しているものこそバラバラですが、「複数の異なる機能や部品を束ね、連動して動かすコンポーネントや環境」もしくは、もっと単純に「多くの利用者が集まる場所」といった漠然とした共通項があります。

概念やイメージを大まかに伝えるには便利かも知れません。しかし、こと新規ビジネスの立ち上げなど、重大な議題について討議する経営会議などの場では、使い方に注意が必要です。

なぜ、経営会議や新規事業でプラットフォームという言葉が使われるようになったのか、それはグローバルで強いプレゼンスを有するテックジャイアントがプラットフォームを事業のコアと位置づけ、その手法がもてはやされるようになったからです。従ってビジネスを創造する上でのプラットフォームの定義もテックジャイアントの経営手法から導き出されるべきだと考えます。

ビッグテックが考えるプラットフォームの条件


かくいう筆者も、非常に恥ずかしい経験をしたため、そのように考えるに至りました。

4年ほど前、海外で急成長を遂げているスタートアップの経営者と事業の拡大・発展について議論していたときのことです。

筆者は「決済プラットフォームを構築されてはいかがですか?」と発言したのを覚えています。それまでスムーズに進んでいた議論が止まり「プラットフォーム」の意味合いや定義について多くの質問を受けました。恥ずかしながら筆者はしっかりとした考えを示すことができず、言いよどんでいると先方から「ナカムラさん、あなたは我々の定義するプラットフォームがどういうものなのか、お分かりではないようですね」とダメ押しされました。
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文=中村健太郎(アクセンチュア)

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