管理職は自分のスキルの穴を明確に認識しているだけでなく、こうした欠けている部分を強化するツールやスキルを切実に求めている。
筆者のコンサルティング企業リーダーシップIQが行った新たな調査「The Leadership Skills Gap(リーダーシップのスキル格差)」では3018人の管理職に対し、18のリーダーシップ能力に関する自らの技能を評価してもらった。
ここでは、リーダーがすぐに訓練を始める必要がある重要分野の一部を挙げる。
1. 扱いにくい人材の管理
ストレスが多い時期について私たちが一つ確実に理解していることは、扱いにくい性格の人がさらに扱いにくくなるということだ。ナルシストや人のせいにする人が生活で多くのストレスにさらされると、自己中心主義や他者批判がほぼ確実に悪化する。
管理職の大半は残念なことに、扱いにくい性格の人を効果的に扱うツールや言葉を与えられていない。扱いにくい性格の人に対処するスキルに熟達していると答えたリーダーはわずか8%で、23%は高度なスキルがあると答えた。
多くのリーダーシップ開発プログラムはフィードバックの仕方を扱っているが、フィードバックの受け手が分別ある人で、一度原稿に沿ってフィードバックすれば十分だということが一般的な前提となっている。しかし、人のせいにする人やネガティブな人が相手ではそううまく行かない。
実際、相手が扱いにくい性格で、状況が張り詰めたものであればあるほど、相手はメッセージを完全に理解するまで何度も繰り返し聞く必要がある。管理職は最低でも、自分が述べたことを冷静かつ整然と2、3回繰り返す方法を教えられるべきだ。
簡単なことに聞こえるが、辛辣(しんらつ)な会話で議論が白熱している場合、慎重に用意された原稿がなければ、感情を挟まずにメッセージを何度も繰り返すのに必要な冷静さを維持できない。