2. 普通の人の優秀な人材への育成
普通の業績の人がなぜ優秀な人材になれないのかという質問に「ただ単に才能がないから」と答えるリーダーがあまりに多過ぎる。どうやって背を伸ばすかを指導することはできないので、バスケットボールチームの指導にはこの主張が少し当てはまるかもしれない。
しかし、典型的な職場で普通の業績の人と優秀な人を分ける要素は何だろう? IQが一方は120で、他方は180であることだろうか? または一方が全く特許を持っていないのに、他方は数十個も持っていることだろうか? それとも、一方が1言語しか話せないのに対し他方が7言語を操れることだろうか?
特筆すべき珍しい例外を除き、こうした要素は差別化要素ではない。
普通の人材と優秀な人材の差は多くの場合、細かい部分への注意や楽観性、労働倫理、チームワーク、人を助けること、その他さまざまな態度など、潜在的な才能というより意識的な選択によるものだ。
普通の人材を優秀な人材に変える上で必要なことは、特定のスキルを鍛えるよりもむしろ前進を阻むモチベーションの障壁を明らかにすることで、これが管理職にとっての課題だ。言い換えると、従業員に無理に訓練を受けさせるより、相手に深く考えさせる質問をすることが必要だ。
普通の人材を育成するスキルに熟達していると評価したリーダーは現時点ではわずか5%で、自分にはその高度なスキルがあると評価した人は21%だった。これは、管理職が新たなスキルやツールを明らかに必要としている分野だ。
3. 変革に対する抵抗への対処
過去100年にわたるビジネスの中で一つ変わらないものがあるとすれば、それは変化の必要性と、それに対する人々の抵抗だ。変化への抵抗は、どれほど上級の管理職でも乗り越えづらいものだ。リーダーシップIQの調査「Why CEOs Get Fired(なぜCEOは解雇されるのか)」によると、最高経営責任者(CEO)が失職する最も一般的な理由は変化の管理を誤ることだった。
この課題は永続的なものだが、変化に対する抵抗を乗り越える必要性は今年、ここ数十年と比べてさらに差し迫ったものかもしれない。パンデミックや遠隔勤務、ハイブリッド型勤務、ワクチン接種令、多くの差し迫った新たなパラダイムシフトなどにより、管理職は従業員を迅速に導き、変化を乗り切ることが必要とされている。
管理職が現在直面する課題を考えれば、会社はリーダーのトレーニングを怠るべきではない。しかし、こうした訓練では焦点を定め、優先順位をつける必要がある。取り組みが必要な分野は多いが、ここに挙げた3つの能力は現在のリーダーが必要とする重要な分野だ。