ビジネス

2021.10.24 08:00

ビジネスプラットフォームに活路? ならば肝に銘じる4つのポイント

そのサービス、5割以上のシェアを取るまで「やり切る」覚悟はあるか? photo by SkyNet


指数関数的に成長するビジネスエンジンをつくるには


彼から話を聞くなかで、テックジャイアントがプラットフォームをこのように定義する背景もわかりました。
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ベンチャーキャピタルや投資ファンドが投資先に対して一度に渡す資金は、通常1年から1年半ほどの運転資金が一般的です。つまり継続的に支援を受け続けたければ、死に物狂いで成長性を示さなければなりません。プラットフォームビジネスのあるべき姿を追求した結果、ネットワーク効果を重視するに至ったというわけです。

読者のなかには、ネットワーク効果について考えるのは、ある程度の成長の見込みが立ってからで良いのではと思われる方がいるかも知れません。しかしそれでは遅過ぎます。

テックジャイアントは、プラットフォームの構想段階であらかじめ、ビジネスの垂直立ち上げを可能にする仕組みや仕掛けを計画に練り込み、精緻なオペレーションによってそれを現実化しているからです。
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逆にいえば、そうでもしない限り指数関数的に伸びるプラットフォームを構築するのは難しいということでもあります。

ではどうしたら「指数関数的に成長し得るビジネスエンジン」となるプラットフォームがつくれるのでしょうか。

フェーズに合わせチェックすべきポイント4つ


チェックすべきポイントは4点。初期の立ち上げ期と成長のギアが一段上がるグロース期で、少しずつ心得るべき点が異なるので解説しましょう。

──第1フェーズ・立ち上げ期の2点


1)指数関数的な需要の増大に応える仕組みがあるか?


例えば、映像や音楽配信サービスはコンテンツの制作や調達コストが必要です。そのため視聴者が増えても、供給側の「弾数不足」がプラットフォームの成長を阻害することがあります。

その点、FacebookやTwitterのようなSNSやライドシェアのUberなどは、サービスの需要側、供給側を消費者が担うため、指数関数的な成長を阻害するボトルネックがありません。成長性の高いプラットフォームが、サービスの需要と供給を消費者に委ね、サービス運営者がマッチング機能提供に徹するデュアルカタリスト型サービスを選ぶケースが多いのはそのためです。

Uberの写真

2)運営者が積極的に介入せずとも、プラットフォーム価値を高められるか?


運営者が積極的に介在せずとも、プラットフォーム価値を高めるには、2つの要素が必要です。1つは「既存ユーザーの取引行動が新規ユーザーの獲得に貢献する」こと。2つ目は「取引行動が、需要側、供給側双方にとってメリットを生む」かどうかという観点です。

Uberを例に挙げると、同サービスには利用者が乗車後、ドライバーを評価する機能があります。利用実績が可視化することによってもたらされる効果は2つ。1つはそのエリアに利用者がいることを示すことでドライバーの新規参入を促す効果。もう一方は、利用者が配点のより高いドライバーを選ぶモチベーションを高められる効果です。新たに参入するドライバーが増えれば、予約から乗車までの時間も短くなり、利用者も増え乗車頻度の向上も見込めます。
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文=中村健太郎(アクセンチュア)

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