ビジネス

2022.02.09

LA発・和菓子D2Cブランドを展開するCashi Cake、1.2億円の資金調達

Cashi CakeのCEO 三木アリッサ

LAで和菓子D2Cブランド「MISAKY.TOKYO(ミサキ・トウキョウ)」を筆頭に、海藻を中心とした食品発売で急成長を続けるフードテックカンパニーのCashi Cakeは、今年1月に千葉道場ファンドやココナラスキルパートナーズ、やHeadline Asia等から、シードラウンド1st.として、約1.2億円の資金調達を受けたことを発表した。

これにより、「MISAKY.TOKYO」の製造拡大をはじめ、新しい海藻ドリンクブランドの立ち上げを強化させる。今回の調達により、累計資金調達額は、約1.8億円となり、成長を続けるCashi Cakeへの期待の高さが伺える。


健康食品マーケットの盲点を突いた新発想


健康志向の高い米国では、ビーガン、グルテンフリー、プレバイオティクス(腸内環境改善)のマーケットが急速に拡大し、とりわけ、プレバイオティクス(腸内環境改善)の市場規模が2028年には約10兆円を突破し、2018年までのCAGR(年平均成長率)に於いては、6.81%上がると見込まれている。現在、環境問題の意識の高さと相成って、TAM(獲得可能な最大市場規模)で、目まぐるしい成長が期待される分野である。

ところが、そんなマーケットにも盲点があり、「美味しい」「フォトジェニック」「ヘルシー」と、三拍子揃う食品は限られている。そこで「MISAKY.TOKYO」が推しているのが、日本の精進文化。特に海藻を使った商品は、ビーガンやグルテンフリーの観点から、世界の新しい食文化のソリューションになり得ると考えられている。

海藻をはじめとするブルーカーボンは、地球上の30%の二酸化炭素を吸収し、一定の大きさ以上に巨大化すると二酸化炭素の吸収力が衰えてしまう。つまり、海藻を定期的に収穫することは、二酸化炭素の吸収力が保たれる。さらに「食べることで環境が良くなる」食材。

そのような視点で、SDGsを考えた場合、注目を集めている所以である。とはいえ、海藻は、収穫場所や収穫時期によって品質が変化するため、一定のクオリティで提供することが難しい上、美味しく加工するのは、髙い技術を要する食品、という悩ましさを備えている。

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取材・文=中村麻美

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