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2022.02.08 08:30

投資側の視点で見る企業のサステナビリティ

SDG IMPACT JAPAN 代表取締役CEO 小木曽麻里

SDG IMPACT JAPAN 代表取締役CEO 小木曽麻里

経営の前提としてのサステナビリティは、投資の世界からも求められている。世界の投資資金は、企業活動が本当にインパクトを生んでいるかに注目しているのだ。


ESGへの投資はこの2年、好調な伸びを見せる。2020年度の世界のESG投資額は総額35.3兆ドル(Global Sustainable Investment Alliance Review 2020)。全運用資産に占める割合は35.9%にまで達した。

膨大な投資マネーが向かう先はサステナビリティに本気で取り組む企業だ。潤沢な資金はESGへの取り組みを加速させる。投資側の視点で見ると、企業とサステナビリティの関係が鮮明になる。

長年、ESGの領域に携わり、現在はインパクト投資企業の共同代表を務める小木曽麻里は「ESG投資はコストがかかり、もうからないという議論がかなりされていましたが、この数年のESG投資のパフォーマンスがよかったため、その懸念が払拭され、いまの流れをつくっている」と説明する。気候変動への危機感、ミレニアル・Z世代や投資家による企業への圧力の高まり、コロナの影響といった複数の要素を踏まえ、小木曽は「トレンドとしてもう逆戻りはない。今後拡大の一途をたどっていく」と強調する。

だが、ESG投資の成長に合わせて、問題も出てくる。ESGに見せかけた実態のない「グリーンウォッシュ」だ。「欧州ではグリーンウォッシュを含む『ESGウォッシュ』が問題になっている。名前を変えただけで、ESGの推進に結びついているとはいえないファンドがかなりある」と小木曽は明かす。

英国に拠点を置く非営利のシンクタンク「Influence Map」が今年公表した2020年度調査によると、脱炭素化や化学燃料フリー、グリーンエネルギーを標榜するグローバルな130の気候変動テーマ型ESGファンドのうち、55%が環境評価(パリ協定目標)を誇大に見せているとされた。問題は、「グリーン」と「持続可能性」を示す明確な定義がないことに起因しているのかもしれない。
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文=中沢弘子 写真=ヤン・ブース

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